厚生労働省が代替医療のエビデンス調査に着手するとのことである。日本ではがん患者の半数近くが、医療機関が提供する医療だけでなく、健康食品など何らかの代替医療を併用しているらしい。闘病記にもそのような事実は多数見受けられるのだが、代替医療をメインに「治療」している患者の闘病記などもしばしばあり、どう扱うべきか苦慮することもある。偽装闘病サイトの場合、健康食品へ誘導するようなケースも多く、とにかく代替医療の記載が多い闘病記には警戒させられる。
またTOBYOでAdSenseなどの広告を掲出していないのも、健康食品や代替療法などの広告が多く、なかには薬事法すれすれか明らかに違反するような表現もあるからである。また、とにかく医療関連サイトでAdSenseを掲出すると、一挙にサイト全体のトーンが変わってしまうので敬遠しているということもある。なかにはコンテンツと広告の区別を付けにくくして、クリック誘導を意図的に狙っているサイトもあるが、医療関連サイトとしてはやってはいけないことだろう。ユーザーが医療情報と代替医療情報を混同する恐れがあるからだ。
医療情報や闘病記でユーザーを釣っておいて、実はAdSenseとアフィリエイトのクリック獲得だけが目的であるようなスパムサイトやクラゲサイト(テンプレサイト)を見ていると、怒りよりも、むしろ哀しさや情けなさのほうがつのってくる。はたして常人は、ここまで品格を落とせるものだろうか。これらのサイトが表出する「むき出しのgreed」は、正視できないほど哀しく、そして醜怪だ。またそれらは、しばしば見受けられる健康食品や代替療法のあけすけな誇大表現のトーンとどこか似ている。真正なる詐欺師とは、一点の疾しさもなく、自己までも騙しとおせる者でなければならない。
三宅 啓 INITIATIVE INC.
ピンバック: 悪いアフィリエイトサイトを、具体的にたくさん見せます。(35) - 増田まとめ
玉石混交~本物の中に混じっている偽物を見分けるのは難しいですね。
99%が正しくても、残り1%に間違いが混入していれば、それが原因で命取りになることもある。
医療というのは、とりわけ慎重であるべきなので、デタラメな情報を提供してもらっては困る。
デタラメな情報では、インフォームドコンセント、セカンドオピニオンにはなり得ない。
健康・医療情報の取り扱いについては、厚生労働省による法整備を期待しつつ、IT業界における標準を策定しなければならないでしょうか?(ISO 9000みたいな基準とか)