ジャズのスタンダードナンバーそのままに、ヨーロッパ初のHealth2.0コンファレンスが来年「四月のパリ」で開催されることが発表された。場所はパリの学生街「シテ・アンテルナショナル・ユニヴェルシテール・ドゥ・パリ」。(ビデオは「四月のパリ」エラ・フィッツジェラルド。素晴らしい!)
コンファレンス・アジェンダは以下の8つからなる。
- サーチ&コンテンツ
- 患者SNS
- 医師SNS
- コンシューマー・ツール
- 患者-医師オンライン・コミュニケーション
- プライバシー、データ、信頼性とHealth2.0
- 政府見解
- 医療界と医療機関
この中で、明らかにヨーロッパ向けにアレンジされたアジェンダは上記6および7だと思われる。今年に入って、米国Health2.0コミュニティでは「医療情報の流動性の確保」論などが強調され、旧来のプライバシー保護団体の過剰なプライバシー保護論に対する批判が起きているが、逆にヨーロッパ各国ではむしろ古典的三点セット「プライバシー、セキュリティ、信頼性」の確保が重視されており、これらヨーロッパの現状をどう評価するかが議論されるものと思われる。7は大半のヨーロッパ各国の医療制度が「国営医療」であることに配慮したものだと思われる。一般的に「国営医療」とベンチャー主体のHealth2.0の親和性は高くはないだろう。
Health2.0は米国から起きたが、すでに他の言語圏、他の文化圏へと拡大浸透しはじめている。今回のパリ・コンファレンスは、Health2.0ムーブメントが多様な文化と出会い、自己を豊富化させる貴重な経験を積む一歩となるだろう。ヨーロッパの次は、ぜひHealth2.0_Japanと行きたいものである。
三宅 啓 INITIATIVE INC.