「安全、安心、安定」の内向的日本

今月10日にブログ検索(テスト版)を追加公開したTOBYO事典。おかげさまでユーザーの皆さんから大きな反響をいただいている。年末も正月もすっ飛ばし、狂気のような集中突破をはかった甲斐があるというものだ。だが、検索エンジン改良の仕事はこれからだ。当面はデータ取得量を増やすことから着手。

ところで昨年末から検索エンジンの仕事に取り組んでいる間に、世の中は、妙に内向的で保守的な言説があふれはじめているようだ。このことは「2009年、この国の希望」でもふれてあるが、その後も途切れる気配はない。だいたい、麻生首相が国会答弁などで、何回も繰り返してうなっている「安心、安全な日本」というフレーズだが、これこそまさに昨今の「内向保守志向」を凝縮したようなものである。

このまま行くと「この国には安心もある、安全もある、安定もある。しかし、自由だけがない」てなことにならぬか。そして、ついに中谷巌氏のように以前の立場を180度転回し、「日本回帰」を宣言する輩まで出てきたのには恐れ入った。(「経済学者、中谷巌の転向~新自由主義は死んだのか?~」 カトラー:katolerのマーケティング言論)

「日本人には共同体志向が似合う」かどうか知らぬが、当方、自分の自由を売り払ってまで「安全、安心、安定」を得たいとは思わない。これは、かつて「会社サラリーマン共同体」に属し、痛いほど窮屈で不自由で不毛な時間を強いられた自己の経験に根ざしている。
果たして人は、「社畜」と化してまで「正社員の安全、安心、安定」とやらを保証してもらいたいものだろうか?。政策談議や制度論以前に、これは一人ひとりの人間の生き方の問題ではないのか。

三宅 啓  INITIATIVE INC.


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