処方箋薬のSNS: eDrugSearch.com Community

eDrugSearch

eDrugSearch.comは昨年初めに米国でローンチされた処方箋薬検索サイトで、カナダをはじめ諸外国から米国に輸入される安価な処方箋薬やジェネリック薬品を、消費者が安心して利用できることをめざしている。また検索のみならず、当然規制の範囲内でだが、処方箋薬のディスカウント・ストアの役割もこのサイトは果たしているようだ。

そして、さらにeDrugSearch.comはサービスを一層拡大すべく、今年2月から「処方箋薬消費者向けのSNS」を併設している。このSNSでは下記のようなサービスを提供している。

  1. ユーザーによる薬品のレーティング
  2. 価格や警告に関するFDAの最新のドラッグ・インフォメーション
  3. 同じ薬を服用している人や、同じ症状の人との体験の共有
  4. コミュニティに対する質問の投げかけ

SNSを併設することにより、eDrugSearch.comではユーザーのサイト滞在時間が増加し、薬品の売り上げも増えたとしている。今後、SNS登録メンバーにはより安く薬を購買できるなど特典を設定し、「薬品体験を共有しながら、薬品代を節約する」というベネフィットをユーザーに訴求していく予定。

このケース、最初は「何で、処方箋薬でSNSなんだ?」とピンと来なかったのだが、良く考えてみると、たしかに物販の延長にSNSを付加する、このようなモデルもありえることが了解できた。「医療でSNS」と来ると、すぐに「闘病体験共有」などの連想が反射的に立ち上がるのだが、他方、薬や治療グッズなど闘病生活に必要なモノの販売とコミュニティ機能をミックスする道もある。

日本でも処方箋薬の検索サービスはあるのだが、ジェネリックなどの薬を安く、しかも安心して買えるようなサービスとコミュニティ機能をミックスした例は、あまり聞いたことがない。また、これからの患者SNSを考える場合、体験情報の共有のみならず、薬品をはじめとする購買サービスや、医療価格比較サービスなど、消費者が実際に得するサービスの開発が必要になるかもしれない。まだまだ、新規事業開発の可能性はあるということか。しかし、おそらくさまざまな規制の管理下にあることが問題なのだろう。

三宅 啓  INITIATIVE INC.


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