再読「eヘルス革命」

不活発な医療Webサービス

インターネットが社会的に広く利用されるようになっておよそ10年。さまざまな業界から、多様で便利なWebサービスがたくさん登場しました。ネット・バンキング、チケット予約、ネット・ショッピング、ニュース配信、ネット・トレーディング等々。では、医療の分野ではどうでしょうか。何か目ざましい動きはあったでしょうか?。これまでにない便利なサービスは開発されたでしょうか?。答えは「ノー」です。これは日本のみならず、米国でも「医療分野でのWeb活用=ナッシング」と語られています。

2001年の時点で医療Webサービスはどう考えられていたか?

eヘルス

この本が出たのは2001年春。米国ではちょうどドットコム・バブル崩壊が起きた直後というタイミングでした。まだ日本ではWeb1.0の崩壊という事態が正確には伝わっていない時期で、このような本が出たのもやむを得ないといえるでしょう。懐かしいですな。
「eヘルス革命」(三谷博明、日本医療企画)

【 目 次 】
第1章 eヘルスコンシューマーの誕生
第2章 eヘルスに取り組む病院とヘルスプラン
第3章 開花するアメリカのeへルス
第4章 eヘルスの発展を支えるベンチャーたち
第5章 eヘルスで変わる患者と医師の関係
第6章 成功のカギを握るeヘルスの問題点
第7章 日本の医療を変える条件

「今」の時点から、この本を「ハイプ」(誇大宣伝)と批判するのは容易であり、またあまり意味のないことです。しかし、「この数年間に、何がどう変わり、また変わらなかったか」を確認し、今後のビジョン策定に活かすということなら、まだ再読の価値はあるでしょう。この本で予測されていたことが、なぜ実現されなかったか、あるいはうまくいかなかったか。そのことを考える。ここで予見されている事ごと、示された発想を超えて行く意味において考える。

そのようにして私は昨年夏、ちょうどTOBYOの基本アイデアが生まれる前に、この本を再読しました。


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