ブログの隆盛と闘病記

ブログ閲読率で日本は世界一?!

先週、 米国のPR会社Edelmanが発表した調査レポート、A Corporate Guide to the Global Blogosphereによれば、ブログ閲読率で日本は、韓国、中国、米国、英国、フランス、イタリア、ポーランド、ドイツ、ベルギーの調査対象各国中、なんと一位になったとのことです。

ブログ調査表

左表に見るように、日本のブログ閲読率は74%で、二位韓国(43%)以下を大きく引き離し、ダントツのトップ状態。「インフルエンサー」つまりその言動が社会的に影響力を持つ人では、なんと91%がブログを読んでいます。昨年あたりから始まった同種の国際調査でも、やはり同様の調査結果になっているのですが、日本の場合ケータイ・ブログの増加がこの背景にあるのではないかと言われています。

日本文化とブログ

しかし、「日本がケータイ先進国」という理由だけでは、どうも説明がつきにくいのも事実です。それよりも、日記文学や私小説の伝統など、日本文化が歴史的に育んできた文化的背景なども影響しているかも知れません。

そう考えると、意外にも日本文化とブログとは、もともと親和性があるのかもしれません。よく「米国のブログは政治・社会などのシリアスな問題に言及するものが少なくないが、日本のブログは圧倒的に日常的でどうでもよい身辺雑記に淫し、弛緩している。」などと言われるのを目にしますが、これは良くも悪くも日本文化のスタイルの一断面を表しているということでしょう。

増えるブログ闘病記

Web闘病記サイトも、最近はブログで開設するケースが多いです。なんといっても手軽に簡単に書きこみできて、運用も手間要らずなのが魅力です。今後も、ブログ闘病記は増えていくでしょうが、いくつか問題もあります。

第一に、ブログが書き手視点で作られており、読み手への配慮が後回しになっている点が挙げられます。特定の情報を探しにくる読み手に対し、情報構造がわかりやすく、求める情報へたどり着く方法が複数用意されている必要がありますが、往々にしてそこまで配慮されていないブログのほうが多いのです。

第二に、一つの闘病記というまとまりを欠き、生活全体の日記という体裁になっており、闘病体験情報を切り出しにくいブログの場合、ある意味では「闘病記」というドキュメントとはみなされず、せっかくの闘病体験が死蔵され活用されないケースもあります。

第三に、Googleのような汎用検索エンジンから見つけにくく、検索結果の深層に埋もれてしまい、日の目を見ないブログ闘病記が多いことです。

他にもいろいろな問題はありますが、いずれにせよ「閲読率世界一」のブログ大国日本において、書かれたブログ闘病記の量的蓄積も、相当の分量に達していると考えて間違いありません。おそらく世界一の量の闘病体験情報がWebに蓄積されているでしょう。

TOBYOはこの貴重な、膨大な闘病体験情報の量的蓄積を、社会的に活用し共有するツールをめざします。

三宅 啓   INITIATIVE INC.


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>