@Rock_Health 2012 Midyear Funding Report
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昨年来、米国の医療分野ITベンチャーに対する投資意欲は熱く高まり、投資額はますます急拡大している。医療ITスタートアップのインキュベータとして大活躍しているRockHealthが、このほど2012年中間投資レポートを発表した。
それによれば医療ITベンチャー企業へのVC投資総額は、2009年から2年間で倍増しており、2011年は12億1900万ドルに達している。さらに今年2012年上半期は、2011年に比べ73％増と大幅な増加をみせている。この2012年上半期において、少なくとも68社の医療ITベンチャー企業が、それぞれ200万ドル以上の資金を調達したと報告されている。
68社のビジネスモデル別の内訳を見ると、B2Bが40社で4億200万ドル、B2Cが23社で2億5000万ドル、B2MDが5社で1700万ドルとなっている。B2Bが主要なビジネスモデルだが、徐々にB2Cモデルが伸びてきているようだ。獲得資金総額のランキングも掲載されているが、このレポートでは医療ITベンチャーを「医師ツール、医療センサー、ホームヘルス、データ分析」の四つのカテゴリーに分類している。
また、2012年上半期に医療IT分野への投資実績のあるベンチャーキャピタルだが、これは92社にのぼっている。
これら米国の医療ITスタートアップへの熱く積極的な投資シーンを見ていると、日本とのあまりの違いに愕然とさせられる。日本では先のエントリで触れたように、医療ウェブサービスは停滞しており、非常に不活発な分野になってしまっている。とにかくVC等、投資側の関心喚起を図っていかなければならないのだが、「Health2.0」などのカンファレンス等においても、もっと大局を見据えた魅力的なビジョンのある企画が必要だし、もっと積極的にスタートアップを取り上げる度量が欲しいものだ。
しかし、これらをカンファレンスに期待するのは無理かもしれない。むしろ、スタートアップと投資家を繋ぐインキュベータが日本でも必要になっていると思う。米国を見れば、RockHealthをはじめ、BlueprintHealth、HealthBox、StartUpHealthなど優れたインキュベータが続々登場しており、いまや「Health2.0」などカンファレンス興行よりもはるかに注目される存在になっている。そして、彼らの活躍が医療ITスタートアップ・イノベーションを牽引し、実質的な市場創造に寄与していることは間違いない。
日本でもこの分野におけるインキュベータの登場が待ち望まれる。
三宅 啓 INITIATIVE INC.
