8月が終わる。一時期涼しかったものの、最近ではまた蒸し暑さが戻ってきた。しかし夜には、あちこちでコオロギが鳴き始めている。
さて、TOBYOで公開している検索エンジン「TOBYO事典」とdimensionsで提供する検索エンジン「X-サーチ」の関係をよく尋ねられることがある。どちらもバーティカル検索エンジンではあるが、実のところ両者はまったく別物で、採用しているプログラム・システム自体が異なっている。
またどちらもTOBYOが可視化したデータを扱ってはいるが、対象としている時期が異なっている。守備範囲が違うのだ。TOBYO事典はあくまでテスト運用ということもあり、一昨年末までのデータを検索対象としており、その後の更新はしていない。対してX-サーチは広く最新データまで対象としている。従って検索対象サイトも、TOBYO事典が約1万4千サイトであるのに対し、X-サーチでは約3万サイトになっている。
ということであるから、単純に考えて、両者の検索結果は検索対象サイト件数に比例し、X-サーチがTOBYO事典のほぼ2倍になるはずだ。だが実際には上表のように、サイト件数の差以上に、検索ヒット件数で大きな差がついている。ランダムに薬品名を検索してみると上表に見るように、X-サーチはTOBYO事典の数倍以上のヒット件数(キイワード出現ページ数)になっている。「比率」というか、TOBYO事典を1としたX-サーチのヒット件数は、ヒュミラにいたっては何と25倍もの差が付いた。
これらの原因だが、対象期間の長短の差がまずあげられる。そして闘病ユニバースにおいては新サイトだけでなく、既存サイトも日々新しいページを生み出し続けている。だから単純に
「一昨年末までの1万4千サイトの公開ページ」+「それ以降の新規サイトの公開ページ」
だけでなく、さらに「1万4千サイトの一昨年末以降の公開ページ」を加えたものがX-サーチの検索対象になっているのだ。闘病ユニバースは現在も刻々と拡大成長を続けている。それはサイト件数の増加を上回るかたちで、新たな体験記録ページを旺盛に生産し続けている。そのことを体感することは難しいが、TOBYOとdimensionsによって、闘病ユニバースのダイナミズムの一端がわかると思う。
三宅 啓 INITIATIVE INC.