スペインの公的研究機関CSICに属するCybermetrics Labが、世界の病院サイト・ランキングを発表している。 そのTOP1,000を見ると、100位までにランクインしている日本の医療機関は、東京大学医科学研究所(16位)、国立がんセンター(58位)、奈良県立医科大学(91位)となっている。ランキングの方法は「純粋に学術的な観点から」としてあるが、世界ランキングや各地域ランキングをざっとながめると、研究機関や大学病院のウェブサイト中心に選出されており、今一、納得感の低いランキングになってしまっているのが残念だ。
たしかに病院自体のランキングということなら、米国を中心にかなり多くのサービスが提供されているが、病院サイトランキングというのはこれまであまり例がない。また、病院サイトの認定ならHONコードはじめいくつかのサービスがあるが、これらはサイトの相対評価という観点を欠いている。
このブログでたびたび触れてきたが、特に日本の病院・医療機関は、これまでウェブサイトを極端に軽視してきたと思われる。掲載医療情報といっても営業情報だけでほとんど終わっているサイトや、まるでパンフレットをそのままアップしただけのようなサイトが多く、闘病者、消費者と積極的にコミュニケーションしようという意欲はあまり感じられなかった。またサイト構成、クリエーティブなども横並び意識が強く、創意工夫に乏しかった。このような医療機関ウェブサイトの停滞ぶりと見ていると、この「病院サイトランキング」のようなものがあったほうが病院ウエブシーン全体が活性化するような気がする。
だがさて、いったいどこがやるのだろうか。まずビジネスとしては成立しそうもない。病院レーティングの非営利団体みたいなところがあれば、そこがやるのが良いような気もするが。
三宅 啓 INITIATIVE INC.