TOBYO事典をパワーアップ

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昨日(8月27日)、闘病者(患者、家族、友人)の新しい情報共有ツール=TOBYOは、闘病サイト全文検索サービスである「TOBYO事典」をトップページに配置し、より一層、闘病情報をユーザーが簡単に検索できるようにレイアウトを修正した。「TOBYO事典」は、指定したサイトだけを検索対象とする「バーティカル検索エンジン」と呼ばれる検索サービスで、これによってユーザーは多数の闘病サイトを一度に横断検索でき、闘病者が実際に体験した事実をスピーディーに簡単に探し出すことができる。この「TOBYO事典」は、世界初の闘病体験に特化したバーティカル検索エンジンである。

と、ニュースリリース風に書き出してみたが、「TOBYO事典」をトップページに配置しなおし、「事典」がTOBYOのメイン機能であることを明確にした。ユーザーが求めているのは「物語としての闘病記」よりも、病院、医師、薬、治療方法など、実際に他の人が病気と闘うプロセスで体験した「事実」である。ユーザーのニーズは「物語を読みたい」というニーズであるよりも、むしろ「他の人が体験した事実を知りたい」というニーズである。実際に闘病生活に役立つのは「物語」ではなく、実践的な「体験された事実」である。

そして「体験された事実」を、最も素早く探し出せるツールが「TOBYO事典」である。われわれは「闘病記=体験的事実の集合」と見ている。できるだけ多くの闘病者による、できるだけ大きな「体験的事実の集合」をユーザーに提供することが大事だと考えている。そしてこの「巨大な体験的事実の集合」は、われわれが作るのではなく既にウェブ上に「闘病ネットワーク圏」として存在している。ここから必要な情報を素早く取り出すツールが「TOBYO事典」である。

五月から限定的にテスト運用してきたが、今回のレイアウト修正に伴い、検索対象を拡大した。本当は現有サイト全部を対象にしたいところだが、とりあえずブログサイトを除く約1800サイトを検索対象にしている。この1800サイトで304の病名をカバーすることになる。だから、サイトには「全病名が検索対象になりました」とあるが、正確には「ブログサイトを除くサイトがカバーする全病名」ということになる。

実際に使ってもらえば、その便利さは実感していただけると思う。たとえば薬品名などで検索すると、実際にその薬を服用した患者の体験をすぐさま見つけ出すことができる。服用シーンや、量、副作用など、すぐに役立つ情報を、健康食品サイトや偽装闘病サイトなどのノイズに惑わされることなく、クリーンな環境で安心して利用できる。また特に病院、医師、費用など、実際に患者が求めている「具体的な情報」を多数提供できるところが「TOBYO事典」の良さであると自負している。

次のステップは、さらに検索対象を「1万サイト」まで拡大することになる。その後もさらに対象を拡大していき、闘病ネットワーク圏にこれまで蓄積されてきた闘病情報資源すべてを、誰もが、いつでも、どこでも、利用できるようにして、すべての人の闘病活動に役立てていただきたいと考えている。

三宅 啓  INITIATIVE INC.


TOBYO事典をパワーアップ” への1件のコメント

  1.  毎年新たに診断されるがんですが、食道がんは約2万3000人、膀胱がんは1万6000人、子宮頸がんは約8000人です。

     TOBYOに登録されている闘病記は、2008年8月30日現在で、食道がんは33件、膀胱がんは2件、子宮頸がんは123件です。

     毎年がんと診断される患者数に対してTOBYOに登録されている闘病記に不均衡があることに気づきました。
     食道がん、膀胱がんは女性も診断される病気なのに、なぜかこれらの女性のインターネット上の闘病記・闘病ブログ、紙媒体は少ないです。

     マイナーな病気を収録するという視点に加えて、女性も診断を受ける腫瘍の闘病記の収録数を増やす方策を検討していただくようお願いします。

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