多彩に進化する闘病サイト

IgaEnikki

昨日のエントリで、ウェブ闘病記の独自性といったようなことを書いた。しかし「ウェブ闘病記」という表現をしてしまうから、リアル闘病記の代替物というイメージが付きまとうのかもしれない。だとすると、「ウェブ闘病記」よりも「闘病サイト」と言うべきなのだろう。

闘病サイトはリアルの闘病記に従属する存在ではなく、独自のコミュニケーション装置、あるいはメディアとしてますます多彩な展開を見せ始めている。たとえば最近、目につく機会が増えているのが「マンガの闘病サイト」である。その例として、楽天ブログで書かれている「Iga腎症絵日記」(作者:サジ54氏)などを見ると、テーマの消化の仕方も絵も非常にうまい。文字だけの闘病記よりも親しみやすく、ほっとするユーモアで気持がなごむ。今後ウェブ上で、「マンガ闘病記」という新しいジャンルが成立することさえ予感させるものがある。

また、Yahoo!ブログ「透析 バンザイ!!!」のように、プロの漫画家による闘病サイトもいくつか出てきている。この「透析 バンザイ!!!」では透析患者からの好意的なコメントが多数寄せられており、また今年になって、このマンガ闘病記は実際に出版されたようだ。これは、「マンガ闘病サイト→出版」というメディアミックスの先例となるのかもしれない。

マンガ以外にも「闘病短歌」を発表している闘病サイト、スケッチや写真で闘病生活をヴィジュアル表現している闘病サイト、オリジナル楽曲で自分の闘病メッセージを伝える闘病サイトなど、実に多彩な表現の幅を闘病サイトは獲得しつつある。これらを見ても、従来のリアル闘病記とは別次元の表現メディアへと、闘病サイトが進化していることが頷けよう。これから増えるものとしては、ビデオ闘病メッセージなどがあるのではないだろうか。

さて、もちろんこれらの動向をTOBYOはとらえて行くつもりだ。表現としての質の高い闘病サイト、ユニークな闘病サイトをどんどんTOBYOでは紹介していきたい。実はTOBYOトップページには「特集!元気になる闘病記」というコーナーを設けているのだが、ここに、たとえば「マンガ闘病記、ベスト5!」のようなイベントを随時投入していく予定。

今、闘病サイトは、闘病体験を共有するソーシャルメディアであると同時に、闘病者の表現メディアとしても多彩な展開を見せ始めている。TOBYOはそこにも着目し、個性的な闘病サイトを可視化するツールの役割も果たしていきたい。

三宅 啓  INITIATIVE INC.


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>