医療に特化したRSSリーダー”MEDWORM”登場

Medworm

web2.0のさまざまなツールの中で、最早「定番」ともいえるRSSリーダであるが、医療に特化したサービスが登場した。“MEDWORM”はイギリスのWeb開発者フランキー・ドーランによってローンチされた。

フランキー・ドーランは33歳。二児の母であり、夫が医師。「私は時々、技術分野で自分のためにRSSを利用してきたけれど、それが医師である私の家族にとって、大きなメリットがあるのではないかしらと認識し始めた。医療プロフェッショナルは医学研究や治療方法の最新情報を常に必要としており、また、たいてい忙しすぎて少しの時間も割けない。RSSは簡潔で特定の専門領域にきわめて適切な最新情報を提供できるから、理想的に見えた。」とフランキー・ドーランは”MEDWORM”の開発動機を語っている。

「より多くの医師、医療従事者、医学研究者がRSSを利用し始めれば、適切な情報を適切な人々に届ける情報の流れが大きく改善され、医療は大きく前進すると私は信じている」。フランキーはそのような信念に基づき、手作業でRSSフィードのソースを集め、ふさわしいものを選択していった。彼女にとってソースの信頼性が最も重要であり、そのために医療界でオーソライズされたソースを選択すべきだと認識したからである。それらソースの大半は医学雑誌サイトであったが、彼女はそれに報道機関サイト、政府機関サイト、医療機関サイトを追加していった。現在、約4千サイトがソースとして登録されている。

筆者が知る限り、”MEDWORM”は医療特化型のRSSリーダーとしておそらく世界初であろうが、フランキーはこのサービスを「医療RSSフィルターエンジン」と説明している。あるいは「RSS検索エンジン」や「RSSアグリゲーター」という言い方もあるかも知れない。一方、日本ではこのようなRSSサービスを一般に「RSSリーダー」と呼んでいる。このあたり、呼称の違いが誤解を生む余地がありそうだが、”MEDWORM”の場合、「RSS検索機能を中心とするRSSリーダー」とでも呼ぶべきか?。

いずれにせよ、開発動機説明でフランキーも述べているように、ウェブ上をあちこちとブラウジングして回遊するよりも、RSSリーダーを利用し手元に最新情報を自動的に集める方が情報収集の能率は飛躍的に高まる。当方も「はてなRSSリーダー」等を利用してから、情報収集スタイルと情報処理効率の文字通りの劇的変化を経験している。このTOBYOブログも、RSSリーダーがなければ毎日情報を紹介することは不可能である。

医療特化型RSSリーダーの可能性に着目し、しかも主婦が個人でサービスを立ち上げた快挙に対し、まずは脱帽、拍手!。またウェブ上の医療情報については、常にその信頼性と質が問われてきたが、ソースを吟味し限定することで情報の信頼性と質を担保するこのような方法は有効である。

だがこのサイトは反応があまりにも遅すぎる。待ち時間が長すぎて苛々することも多い。今後、技術的に改良の余地はありそうだ。

三宅 啓  INITIATIVE INC.


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