TOBYOの位置づけ

TOBYO_next

TOBYO-α版、6月中旬スタート

ようやく来月6月の中旬ごろには、TOBYOのα版をスタートできる見込みになってきた。思えば昨年の夏に基本アイデアが生まれてから、すでに9ヵ月ほどが過ぎている。ようやくスタート・ラインに立つ地点まで来たわけである。

もっと早くオープンする予定が、ここまで遅れたのにはいろいろな事情もあった。だがこの間、このブログで現在の欧米や日本の医療シーンの問題を、ITとの関連で取り上げ整理し洞察できたことは当方にとって有益な機会だったと思う。

TOBYOの生い立ち

ともあれ、ようやくスタートするTOBYOだが、今この時点においてTOBYOは医療シーン全体の中で一体どのような位置に立つのだろうか。結局、このことをめぐってこのブログでさまざまな最新の事柄を取り上げ、さまざまに考察を加えてきたようなものではあるが、現時点で考えていることを記しておきたい。

TOBYOはWeb2.0のムーブメントから直接出てきたアイデアである。それはまず、Web上に膨大な数存在するWeb闘病記がユーザー生成コンテンツである、という点に着目するところから出発している。

次に、既にWeb上に存在する膨大なユーザー(患者)生成コンテンツをアグリゲートし、SBMやタグのようなソーシャルツールを用意し、バーチカル検索機能を装備することを構想した。つまり機能のアウトラインを固めた。

個人のエンパワーメント

TOBYOはこのように、要約してしまえば「ユーザー生成コンテンツとソーシャル機能の結合」ときれいに整理できる。それを「2.0的」と言うことも出来るだろうが、それよりもむしろ「個人のエンパワーメント」を支援するツールとしてTOBYOがあるということを強調したい。

TOBYOの位置、TOBYOが目指すもの

また、日本のWeb上の医療関連コンテンツの状況だが、概観すると以下のように分類される。

1.医療機関が配信するもの
2.行政機関が配信するもの
3.企業、団体が配信するもの
4.個人が配信するもの

まず1だが、このブログで再三指摘してきたように、生活者が求める医療情報は少なく、単なるパンフレットで終わっているケースがほとんどだ。情報は一方通行で、生活者とコミュニケーションをとろうという形跡もない。2はさらに粗略な情報しかなく問題にならない

3であるが、民間企業サイトは不思議なことに、医療機関検索と一般医療情報提供にほぼ集中しており、多様な展開が見られない。そして4の個人配信情報だが、Web黎明期より膨大なサイトが登場してきたが、そこに蓄積された体験情報の豊かさと価値に見合ったアテンションを獲得できないまま、ひっそりと存在してきた。

このように見ると、Web上で比較的アテンションを集めやすかった医療機関、行政、企業、団体などのサイトは提供情報が貧困であり、逆に体験情報の宝庫であった個人サイトにはアテンションが集まらないという構造があったのである。

この「情報価値とアテンションの不均衡」を解消しようというのがTOBYOである。高い情報価値を持つ貴重な闘病体験に、もっとアテンションが集まるように、利用頻度が増えるようにすることをTOBYOはめざしている。

三宅 啓  INITIATIVE INC.


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