アメリカの最新EHR世論調査

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米国の世論調査会社ハリス・インタラクティブ社が、EHRに対する米国民の意識調査を実施した。

調査実施:1月11日-19日
対象者:18歳以上 2,337人
調査方法:インターネット調査

調査結果概要

●70%の回答者は、一般的に、機密保持とセキュリティの面から見て、医師や病院が自分の医療情報を扱うやりかたに満足している。20%がこのことに強く同意しており、50%が「どちらかといえば」同意し、19%が同意していない。
●63%の回答者が、個人医療情報のEHRへの移行はプライバシーを危うくすることなく実施できるだろうと答えている。23%はこのことに強く同意している。
●60%の回答者は、現存する連邦と州の医療プライバシー保護法は、今日、医療情報のプライバシー保護に充分なレベルであるとしている。
●米国民の10人に7人は、医師と病院が彼らの医療データを扱い保護する方法に満足している。しかし、回答者の50%は、保険会社、雇用者、政府保健機関などが彼ら個人の医療情報を利用することを、患者としてコントロールできないと考えている。
●同様に回答者の63%が、絶対に自分に関する個人を特定する情報が公開されないと保証されるなら、自分の医療情報を医学研究に利用することに概ね同意するとしている。

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以上の結果概要になったが、また、回答者のおよそ6人に1人(17%)は、自分の医療情報が公開されるかもしれないことを懸念して、医療提供者に彼らの医療情報を提出することを控えていることがわかった。

健康状態による態度の差異

さらに、健康状態とプライバシーに対する懸念との間には強い相関関係があることが分かった。「健康状態は、まずまず、あるいは良くない」と答えた人(この人たちは医療サービスをより必要としているのだが)は医療情報に関する機密保持とセキュリティを特に強く懸念している。たとえば、「健康状態は非常に良い」と答えている人の73%は、一般的に医師や病院が個人的医療情報を利用するやりかたに満足している。しかし、「健康状態は、まずまず、あるいは良くない」と答えた人では、満足している人はより少ない60%であった。

「健康状態は、まずまず、あるいは良くない」と答えた人の多く(55%)は、「患者は、自分の医療情報が外部組織(保険会社、雇用者、政府保健機関)によって入手され利用されることを、まったくコントロールできない」と否定的に答えている。一方、「健康状態は非常に良い」層で同じように回答した人の比率は、これよりも少ない49%であった。

米国民はEHRを受け入れる準備ができているか

この調査の設計と実施に関わったコロンビア大学教授で医療プライバシー問題に詳しいアラン・ウェスティング教授は、「これまでの消費者プライバシー問題に関する調査結果でも、だいたい25%くらいの人々が、彼らのプライバシーの権利は企業、雇用者や政府に正しく扱われていないと感じているという結果になっているが、今回も同じ傾向だ。」と言う。「依然として米国民の多くは、EHRで機密保持とセキュリティがどのように扱われるかを懸念していることを調査結果は実証している。それと同時に、三分の二に達する多数が、しっかりしたプライバシーとセキュリティのルールが適用されるなら、EHRの潜在的利益を受け入れる準備が出来ていることも示している。」

「しかし、残りの約四分の一の人々は、依然としてEHRのようなコンピュータ化に懐疑的であり懸念もしている。これらを払拭する一層堅固で透明性のある新しいプライバシーとセキュリティのプログラムが必要になるだろう。」


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