ネット上には、毎日、ブログや個人サイトで膨大な量の闘病ドキュメントが続々と公開されています。TOBYOは2008年から、それら闘病ドキュメントを病名ごとに分類し、性、年齢、地域などメタデータを付して収集・蓄積してきました。ネット上の闘病情報すべてをインデックス化し、誰もが簡単に、ほしい闘病体験にアクセスできることを実現しようと、少しづつデータを積み上げ、現在、その規模は1273疾患、4万5800サイト、およそ800万ページとなっています。(2014年6月27日)
多様な個人の闘病記録を参照できるので、一般的にデータは多ければ多いほどよいといえるでしょう。それでも、たとえば「乳がん」を例に取ると、すでに収録サイト4千件、60万ページを越えており、すべてに目を通すことが不可能なほどの情報量に達しています。もちろん検索エンジン「TOBYO事典」を使えば、膨大な収録情報の隅々まで全文検索できるわけですが、「どんなキイワードで検索すべきか」で悩むユーザーも多いようです。
特に診断で病名がついたばかりの患者は、その病気についての知識がほとんどない状態ですから、難解で複雑な医療用語に戸惑い、検索エンジンで何を検索したら良いかがまずわからない、というケースが多いようです。
そこで、闘病ドキュメントに出現する言葉を疾患ごとに集計し、「病院、薬、検査・治療」の3つのジャンルで、出現件数の多い順に、つまり患者が言及することの多い順にTOP20チャート形式で見てもらおうと、このたび「TOBYOがんチャート」を公開する運びとなりました。その病気の患者が多く使う言葉は、その病気を理解するための基礎となるボキャブラリーであり、それら頻出語の傾向を学習するためのツールとしてご利用いただければ幸いです。
別の観点から見れば、この「TOBYOがんチャート」は「病院、薬、検査・治療」に関する患者のクチコミを可視化するツールであるともいえるでしょう。
「乳がん患者が話題にしている病院は?」
「肺がん患者が話題にしている薬は?」
「胃がん患者の話題が多い治療法は?」etc…
このように、がん患者がネット上で話題にしているクチコミ情報を、疾患別にTOP20チャートで一覧することができます。
「TOBYOがんチャート」は、当面、TOBYO収録の「全がん、乳がん、肺がん、胃がん、大腸がん」の疾患カテゴリーごとに、TOP20を「病院、薬、検査・治療」ジャンルで表示します。TOP20チャートにある言葉は、検索エンジンで本文を確認することもでき、また検索結果を発病年時や様々な項目でフィルタリングして絞り込むことも可能です。
「TOBYOがんチャート」は来月(7月)に公開予定。ぜひ、みなさんの闘病生活に活用してください。