銀杏、ハクセキレイ、システム開発

Ginnan1011

ここ数日、秋晴れの日が続いている。昨日の強風のためだろうが、昼休みに新宿御苑遊歩道を歩くと銀杏が多数散乱していた。(写真)。それを皆ばりばりと踏み潰して行くから、周囲は銀杏の匂いでいっぱいとなる。それでも、風が爽やかなので気にならない。しばらく歩いていると、見かけない小鳥が道端に降りて、何か不思議なものでも見るかのように、じっとこちらをうかがっている。小鳥の好奇心の対象になるというのも、なにか変なものだ。その仕草と鳴き声に、おもわずハチドリを想起したが、まさか、こんなところにいるわけもない。あとで調べるとハクセキレイであった。3メートルほどの間隔をおいて、双方、しばらくにらみ合い状態が続いたが、後方から多くの人が歩いてきたので近くの木陰へ飛び込んでいった。

11月に入っても、まだ延々とDFCシステム開発はつづいている。当初計画からずいぶん遅れてしまったが、まあこんなものか。とにかくこんなシステムは今までどこにも存在しなかったのだし、それに新しいチャレンジゆえの試行錯誤もあったりで、やむをえないところも多々ある。だがどうしてもストレスはたまり、ときとして爆発することもある。だから、つとめて晴れた日は新宿御苑を歩きまわることにしている。コサギやクロウなどが池で遊んでいるが、それらを見ているとストレスも減る。

12月上旬に開催が予定されているあるセミナーで「本邦初お目見え」する予定。DFCのデモンストレーションをおこなう。ま、それまでには間に合うだろうが、一日も早いに越したことはない。

三宅 啓  INITIATIVE INC.

「ITで医療は変わるのか?」

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今宵は、Ustream「ITで医療は変わるのか?」をはじめから見た。特に、チーム医療3.0の皆さんの創意工夫に富むさまざまな実践活動紹介には感銘を受けた。医療者側でこのような試行錯誤が行われていることを知り、日本医療も捨てたものではないと素直に思えた。何よりも、従来の重厚長大で高価な完全無欠医療情報システムではなく、iPhoneやiPadなど手軽で身近でローコストなツールを「現場のアイデア」で活用しているところや、出来るところからどんどん現場課題を解決しようという実践的姿勢に共感した。「医領解放」というスローガンも良い。

欲をいえば、医療現場の効率化や情報共有に取り組むのは当然としても、医療者と闘病者との情報共有やコミュニケーション、そして医療情報提供への活用事例をもっと紹介して欲しいという感想を持った。また、PHRに対し医師側から「患者が自己の医療情報管理に腹をくくる覚悟も必要」という指摘があったが、たしかにパターナリズムから患者が自立していくことが、PHRなど新しい医療情報システムが成立する前提となるだろう。

前半は良かったが、後半はいささか冗長すぎ。毎度ながら、御大の「独演会」には食傷した。

三宅 啓  INITIATIVE INC.

医療SNSを簡単に、手軽に、安く作る方法

ALSUntangled

“ALSUntangled.com”は難病ALS(筋萎縮性側索硬化症)の国際研究コミュニティ。米ノースカロライナ州のデューク大学病院ALSクリニックによって主催されており、現在、世界6カ国のALS研究者とALS患者が参加し、着々と研究成果を上げている。この研究コミュニティの知識情報共有を支えているのはツイッターとSNSだが、SNSとしてあの“NING”を採用している。

もう五年ほど前になるだろうか、当時のWeb2.0ムーブメントの中でもひときわ注目されていたのがこの”NING”であった。これは高機能なSNSホスティング・サービスで、自分の思い通りにカスタマイズしたSNSを簡単に立ち上げることができる。久しぶりにNINGサイトをのぞいてみたが、トップページは完全に日本語化されていた。だがいろいろ調べてみると、どうやら広告のビジネスモデルがうまく行かなかったようで、有料サービスに移行していた。それでも利用料金は月額$2.95-$49.95と安い。ちなみに月額49.95ドル(約4000円)で提供される機能は次のようなもの。 続きを読む

ビジョンと教訓

11月に入った。夏場から開発してきたDFCをいよいよ仕上げる段階。開発の山はおおよそ越えられたものの、全体として工程は遅れ気味。。来年早々の稼働へ向け準備を進めていく。

昨日エントリの「メディラシージャーナル」だが、本日、全サイトを閉鎖したとのこと。思い切った決断に敬意を表したい。主催者ブログに「お詫び」エントリー がポストされた。「科学的根拠のない医療情報発信」、「科学的根拠のない広告が表示」との理由だが、それよりもっと基本的な「責任所在の明確化:主催者名、住所」、「広告とコンテンツの明示的区分」、「掲載情報の引用出典の明示」などが問題だったと思う。

案外、この件で改めて浮き彫りになった問題は、医療関連のコンテンツ連動広告や検索連動広告などのありかたかもしれない。従来野放しであったこれらの広告に対し、最近、一部のNPOが違法事例報告などを開始している。たしかにメディラシージャーナルのアドセンス掲出方法はやり過ぎの感が強く、「荒稼ぎ」批判も上がったが、結局一番儲けているのはGoogleなのである。いずれ、他社も含め違法医療関連広告の配信責任を問う声が起こってくるだろう。

もう一つ重要なことは、このメディラシー事件の一連の推移の中で「医療者以外は医療情報をあつかうな」という声が起きた点である。これは極端すぎるのではないか。もしも、こんなふうにウェブ上の医療情報配信が規制されるなら、闘病者が闘病体験を公開することもできなくなってしまうだろう。これを敷衍すれば「素人は医療に口出しするな」というところに行き着くはずだ。これはまさに患者参加型医療とは正反対のパターナリズム(父権主義)回帰である。メディラシー事件は、大衆の中に存在するパターナリズム回帰心情を顕に呼び出してしまった。医療を取り巻く私たちの現実は、このように可逆的で流動的な危うさを内包している。 続きを読む