TOBYO、世界へ!

Health2.0SF2010s

Health2.0 San Francisco 2010のエグゼクティブ・プロデューサーであるLizzie Dunklee氏から公式招待状が届いた。これでTOBYOとDFCのプレゼンテーションはコンファレンス・アジェンダに公式登録されることになる。いよいよTOBYOが世界にデビューするのだ。気合が入る。

招待状によれば、会期二日目の10月8日午後3時45分からサンフランシスコ・ヒルトンのユニオン・スクエアで始まる”Health 2.0 Around the World”セッションに登場することになるようだ。日本からはメドピア株式会社の比木COOと当方パートナーであるメディカル・インサイトの鈴木さん、そしてインドから2社、イタリアから1社がこのセッションに参加する。

インターネット黎明期から、日本語圏ネット上に自然発生的に形成されてきた闘病者のオープンコミュニティ。自己意識を持たない自生的コミュニティ。そしてそこに蓄積された膨大な闘病体験データ。私たちはこれを「闘病ユニバース」と名づけ、そこにある全ての闘病体験の可視化と検索可能化に着手した。こうしてTOBYOプロジェクトは開始され、カオス状態である闘病体験データを構造化し、秩序を与え、その貴重なデータを誰もが、いつでも、容易に、効率よく利用し、共有できることをめざした。 続きを読む

Curationによるデータ構造化

DCC

昨日、イスラエルのFirst Life Researchに触れたが、さっそく今日、二~三の方からお問い合わせを頂戴した。たしかにソーシャル・メディア・マーケティングという視点で医療を眺めるなら、TOBYOやFirst Lifeのような事業が出現するのは自然の流れと言えよう。ソーシャルメディアと医療といえば、本来なら、ソーシャル・グラフのパワーを活用した患者SNS事業などがメインに位置してもよいはずなのだが、残念ながら撤退したサービスもあり、その難易度は高いことがわかってきた。

それに対し、TOBYOやFirst Lifeは「すでにネット上にある公開データ」に焦点を合わせている。そして患者体験として公開されたUGCの構造化をめざしている。TOBYOは「すべての闘病体験を可視化し検索可能にする」とのミッションによって、患者体験UGCの構造化を宣言しているわけだ。実際にはブログなどUGCサイトにメタデータを付し、整理分類し、リスト化を進めている。First Lifeもほぼ同様の考え方をしている。だが、両者が違っているのは、TOBYOがCuration(自動生成データ等に対する人手による検証と修正)という方法を取っているのに対し、First Lifeはセマンティック技術で機械化しようとしている点だろう。「Medical Ontology」と彼らが呼んでいるのは、患者UGCを意味的に機械判別する仕組みのことと推測される。 続きを読む

イスラエルからTOBYOのライバル出現: First Life Research

FirstLifeResearch

先日エントリでご紹介したように、TOBYOとDFCのプレゼンテーションが、来る10月7日-8日サンフランシスコで開催されるHealth2.0コンファレンスでおこなわれる。TOBYO&DFCは初日7日午後から開催される「International Health2.0」というコーナーに登場する予定。当日、Health2.0コンファレンスに参加される方は是非ご覧ください。

メディカル・インサイトの鈴木さんが米国運営チームと今回プレゼンテーションの打ち合わせをされたが、Health2.0.orgのコ・ファウンダーであるインドゥー・スバイヤ氏にTOBYOを説明したところ「非常におもしろい!」とのお言葉を頂戴したとのこと。光栄である。また「TOBYOはOrganized WisdomやFirst Life Researchに似ている」とのコメントもあったそうだが、これにはいささか面食らった。

First Life Researchは初めて聞く名だが、さっそくウェブで調べてみると” New Site Coming Soon”とある。linkedinの会社プロフィールによればイスラエルの企業で、「世界で最も包括的な、客観的な患者レポートによるアウトカムのデータベースを構築。(患者UGCの)収集、体系化そして分析によって、全ての医療UGCのオンライン利用に着手。専用のセマンティック・アルゴリズムと医学オントロジーの適用によって、私たちは患者レポートを薬品に関する作用インサイトに変換することができる」云々とある。また「ウェブ上に公開された構造化されていないアウトカムについての患者レポートを、医学的に有意な情報に変換する」といった記述もある。 続きを読む

日本語圏ウェブと医療情報

ウェブ上にばらまかれた様々な医療関連情報あるいはデータを、どのように構造化するか。ウェブの医療情報サービスを考える場合、とどのつまりはこの問にどう答えるかが問題となる。もちろん多様な考え方に基づく多様な答えがあり、私たちのTOBYOプロジェクトもその中の一つにすぎない。Health2.0の苦闘は、この問に対する答えとそれを継続可能にするビジネスモデルのマッチングの難しさにある。

だが、もう一度この問いを見なおしてみると、見落としてはならないひとつの前提があることに気づく。それは構造化すべき医療関連情報あるいはデータが、「すでに」ウェブ上に存在するという前提である。「これから作る」のではなく、「すでにある」ということ。しかもそれらが「大量にある」からこそ、構造化が問題になるのだ。逆に「これから作る」のでは構造化は現下の問題ではなくなり、提供されるサービスも将来の問題に先送りされる。つまりこのように考える限り、サービスとビジネスモデルのマッチングは永遠に来ないかも知れないということを、この問いとそこに含まれる前提は仄めかしている。 続きを読む

ロッシュのソーシャル・メディア・ガイドライン


ロッシュ社の「ソーシャル・メディア・ガイドライン」 が先月中旬に発表された。これはソーシャル・メディアを利用する際にロッシュ社員が従うガイドラインであり、非常にシンプルでわかりやすく曖昧な点がないと高く評価されている。今後、他の製薬会社も同様のガイドラインを策定するものと見られている。

先日開催されたHealth2.0 Tokyo Chapter 2でも、ソーシャルメディア・マーケティングの進展に対しエスタブリッシュメント企業側の対応が遅れているのではないかとの指摘があったが、このロッシュのように、ソーシャルメディアへの対応原則を明確に定義しておくことがまず最初に必要なことだろう。 続きを読む