8月の終わりに

DFC_top

今日で8月が終わる。例年この時期になると、夏が終る兆しをあちこちに目にして、じわっと「逝く夏を惜しむ」気分が漂いはじめる。しかし今年は、夏が終わる気配が微塵もない。炎暑は続き、熱風が吹き、蝉は鳴き、あたかも「Endless Summer」が現実のものとなるかのようだ。

年初から取り組んできたDFCだが、今月、サイト・デザインが完成しデータベース設計が始まった。まずまず順調に開発は進んでいると言えるだろう。10月末には、実際にデモンストレーションやユーザー試用が可能となるはずだが、この時分にはもう夏は去っているだろう。とにかく今までまったく存在していなかった新しいシステムなので、どのように受容されるか不安はあるが、医療分野に一つのイノベーションをもたらす可能性をはらんだ開発に取り組むことは、私たちにとって大きな誇りである。やはりベンチャーである限りは、なんらかのイノベーションを目指し挑戦しなければ、との思いは強い。 続きを読む

Health2.0 Tokyo Chapter 2

RoppongiHills

昨日、六本木アカデミーヒルズのスカイスタジオで第二回Health2.0 Tokyo Chapterが開催された。開催告知が盆休みと重なり、人の集まり具合が懸念されたが、会場はほぼ満員状態。Health2.0に対する関心の広がりを再認識した。

まずSMSの鈴木さんから、6月ワシントンDCで開催されたHealth2.0コンファランスの報告があり、canAvert、Everday HEALTH、Vitalityなどが紹介された。続いて当方からTOBYOと開発中のDFCのプレゼンテーションをおこなった。この間、プレゼンを準備する過程で実はいくつかの「気づき」があった。まず、これまで「仮想コミュニティ=闘病ユニバース」という考え方をこのブログで書いてきたが、むしろ当方はネット全体を一つのコミュニティとして見ているのだということに気づいたのだ。ただ、今回のプレゼンではこの新しい考え方を展開することはやめた。もう少し時間をかけて検討してみたい。 続きを読む

懐かしのグラフィティ入力

PalmV

Androidでグラフィティ入力ができるようになった。早速導入。最初はグラフィティ文字を思い出すのに苦労したが、なんとかやっているうちに記憶が蘇ってきた。手の動きなど、一度獲得した身体記憶というものはなかなか消えないものらしい。そう言えばSONYクリエが壊れて以来だから、グラフィティ文字とはかれこれ6年ぶりのご無沙汰だった。入力ソフトは感度も良く、きびきび反応してくれる。以前はスタイラスを使っていたが、じかに指で入力できるのも良い。これは便利だ。

かつてPalmVx(写真)を愛用していたが、シンプルながら丈夫で動作も安定しており重宝していた。あとで買い換えたクリエがすぐ壊れてしまい、SONYに代表される「Made in Japan神話」が自分の中でがらがらと崩壊していったのを覚えている。あのころすでに「もの作り日本」など過去の遺物になっていたのかもしれない。クリエはたしかにPalmよりも高機能であったが、堅牢性や物理動作などモノとしての基本的な信頼性がいまいち弱かったと思う。いつの間に日本メーカーは、柔で壊れやすいものを作るようになってしまったのか。 続きを読む

真夏のHealth2.0

Health2.0_Tokyo_Chapter

今年の夏の暑さは格別だが、炎暑の中、当方のDFC開発は進んでいる。言うまでもなく、TOBYOプロジェクト全体の収益エンジンとしてDFCは非常に重要な位置を占める。そうであるに違いないが、もう一方では、やはりもう少し幅を持たせた多様な事業展開ということも考えていかねばならないと思ったりする。だがベンチャー企業としては、限られたリソースをなるべく集中するしかない。そんなことを考えているうちに、いくつか新たなアイデアが「こんにちは!」とやって来る。

こんな状態を少し整理してみようと考えているところへ、来週、第二回Health2.0 Tokyo Chapterが開催されることになった。折よくTOBYO紹介の機会を頂戴したので、TOBYOプロジェクトとDFCの現時点での概要を整理要約してみたい。また、パネルディスカッション「今後の日本でのHealth 2.0について」のパネラーも拝命したので、少し立ち止まって、この間このブログで延々書いてきたことの中間的なまとめをしてみたい。 続きを読む

Unconcerned But Not Indifferent:無頓着、しかし無関心ではなく

ManRay

昨日、暑い中を妻と「マン・レイ展 ~知られざる創作の秘密~」(国立新美術館)へ出かけた。美術館は朝から大混雑。これはオルセー美術館展を観る人達がほとんどで、館内を埋めつくす長蛇の列には驚いたが、マン・レイ展の方は人も少なくゆっくり鑑賞することができた。

以前から自宅の机の上にマン・レイのポスターを飾っている。マン・レイの妻ジュリエットのモノクロ写真に手描きのラインを書き入れたポスターだが、なんとも言えない味があり気に入っている。展覧会を見終えて何かいまいち物足りなかったのは、このポスターが出展されていなかったせいもあるのか。パリ時代のヘミングウェイと息子バンビの写真があったのも意外だった。同時にマン・レイ作の映画も上映されていたが、かつて京都のシュールリアリズム映画祭で見た記憶があり懐かしかった。

Unconcerned But Not Indifferent
無頓着、しかし無関心ではなく

これはマン・レイの墓碑銘に刻印された文言である。 続きを読む