医療情報バーティカル検索エンジン:メドクロス

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ウェブ上で「医療垂直検索エンジン『メドクロス』のサービスを開始~医療情報を調べる為の専門特化型検索エンジン~」とのリリースを見たので、さっそくサイトを拝見した。一年ほど前から、Googleサイトサーチを利用して医療情報バーティカル検索をめざすサイトであることは知っていたが、とうとう正式デビューしたようだ。

このブログでは、従来からたびたび医療情報のバーティカル検索エンジンの重要性を強調してきたわけだが、たとえば「医療情報」でユーザーを釣っておいてAdsenseへ誘導するだけが目的のような「テンプレサイト」を除外し、信頼性のある情報ソースへ最短でアクセス出来るようになれば闘病者・消費者のメリットは大きい。その意味で、このメドクロスなど医療情報バーティカル検索エンジンの存在価値は高いのである。

というわけで期待は大きかったのだが、いざ使ってみるとどうもまだ調整中のようだ。いくつか検索を試してみたが、特定の医薬品検索サイトの薬剤情報しか表示されなかった。ソースを絞るのは良いのだが、これでは絞りすぎだ。この検索サービスはGoogleサイトサーチのサイト内検索と、汎用検索エンジン検索結果を編集した表示画面との二層構造になっているように見えるが、前者はソースが極端に少数限定され、後者はソースの信頼性が今ひとつのように感じた。だがいずれ、きっとこれらは改善されるのだろう。今後を待ちたい。 続きを読む

TOBYO_dfc (direct from consumer)

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街中がサウナになってしまったかのような猛烈な蒸し暑さだ。地面から水蒸気が立ち上っているのが見えるような気さえする。だが、新宿御苑の近辺まで来ると爽やかな冷気が吹いてきて、都心にあって「森の力」を実感したりする。こんな季節になると、とにかく美味しそうに冷えたビールがやたらと恋しくなるが、目下当方、慢性疾患(痛風)改善へ向け生活スタイルを変えているところであり、「常にビールのある生活」も遠のいてしまい残念。

さて、「闘病者の声をダイレクトに伝える、新しいWebアプリケーション」として開発を進めている「TOBYO_dfc」だが、ようやく仕様が最終的にかたまり、この夏中にはアルファ版を完成させてしまいたい。およそのスケジュールとしては、10月頃から年内いっぱいはアルファ版のテスト運用期間とし、来年早々には本稼働に持っていくようなイメージを描いている。 続きを読む

政府の「どこでもMY病院」構想とは?

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先のエントリでマイクロソフト社のPHR「HealthVault」の国際戦略を取り上げたが、国内では去る5月11日、政府の高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(IT戦略本部)の「新たな情報通信技術戦略」において「どこでもMY病院」構想が、続いて6月22日にはその「工程表」が発表されている。

この1年を振り返ると、政権交代によってIT戦略本部の取り組み方に微妙な変化がある。昨年6月30日発表の「i-Japan 戦略 2015」(IT 戦略の今後の在り方に関する専門調査会)では「三大重点分野」を次のように提起していた。

①電子政府・電子自治体分野
②医療・健康分野
③教育・人財分野

これに対し、今回の「新たな情報通信技術戦略」における重点分野は「3つの柱と目標」として次のように変えられている。

1.国民本位の電子行政の実現
2.地域の絆の再生
3.新市場の創出と国際展開

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マイクロソフト社PHR「Health Vault」がイギリスへ進出

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6月22日、マイクロソフト社は同社PHR「HealthVault」をイギリスで展開すると発表した。今回のHealthVault進出は、当面、英国同社サイト「MSN Wellness Center」 を通じた限定的な機能提供になるようだ。すでにHealthVaultはカナダとドイツに進出しているが、これらのケースでは戦略パートナーとしてTelus社やシーメンス社と組み、両社を通じたスームズな市場参入をマイクロソフト社はめざしてきた。PHR国際戦略における最大の難関は、各国における医療制度、医療文化の違いである。マイクロソフト社は、この難関を地元有力企業との戦略パートナーシップによって乗り越えようとしており、これは極めて理にかなった戦略と言えるだろう。

イギリスの場合も、地元企業Nuffield Healthとの提携を発表してはいるが、いささかカナダやドイツのケースとちがうのはその「提携」が多分に限定的である点だ。これはマイクロソフト社にとっての「世界最大の顧客」である英国NHS(国民健康保険)への配慮からだろうと言われている。NHSは英国国民けに無料PHRサービス「HealthSpace」を提供しており、マイクロソフト社はこれとHealthVaultが直接競合する事態を避けたかったようだ。 続きを読む

病院ロボットの時代


英スコットランドの”Forth Valley Royal Hospital”で、英国初の病院ロボットが導入されることになった。8月の同病院オープンに備え、現在、ロボットのテスト稼働がおこなわれている。当面は地下室で各病棟との荷物のやりとりに使われるが、いずれは病室や手術室の清掃、さらに医療資材や薬剤の仕分け・配送などにも使われる予定らしい。院内感染リスクと人的コストを下げる効果が期待されている。

ロボットやナノマシンのような先端テクノロジーの医療への導入は、「医工連携」の掛け声のもとにどんどん進んでいる。これらがアウトカムなど医療品質の向上やコストダウンなど、具体的に目に見える成果につながってほしいものだ。

だがこのビデオを見る限り、あまり高度な「ロボット」ではないようだ。これでは自走式フォークリフトにしか見えず、ガッカリしてしまう。「アトム」はまだか?

「アトムの子」三宅 啓  INITIATIVE INC.