闘病サイトとライフログ

Shinjukuk_West

先週の続きになるが、「闘病記」という括りから、闘病サイトで展開されている闘病者の一連の活動を分けて考える必要がある。従来そこがどうも一緒くたにされてしまい、「闘病記の亜流」みたいな形で闘病サイト上のコンテンツが扱われてきたことが、結局、今ネット上で起きている闘病者の新しい情報活動を見えにくくしているのだ。リアル闘病本の延長線上で闘病サイトを見てしまうから、医療に対するインターネットの可能性と闘病者の活動を過小評価してしまうのだ。

インターネット黎明期から出現しはじめた闘病サイトは、同時に誕生した病院など医療機関サイトや製薬企業サイトよりも、いわゆる「ネット的な性格」を強く持っていた。病院サイトなどがトラディショナル・メディアの発想つまりワンウェイ思考で作られていたのに対し、闘病サイトは自分の医療体験をライフログとして記録し、不特定の「誰か」との共有を想定して公開されたのである。そこには、最初からインタラクティブなコミュニケーションが前提されていたのである。 続きを読む