The Other Side of The Blog

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米国で先月22日から立ち上げられた「医療情報の権利宣言」サイトだが、その後、宣言支持表明者は1000名を越えたようだ。(「権利宣言」については以前のエントリを参照のこと)。宣言支持表明とともに書き込まれたコメントには、医療情報請求の現状に対する不満が数多く指摘されているようだ。医療機関に対し自分の医療情報であるカルテ等情報を請求しても、スピーディーに対応してもらえず、しかもコピー代金を取られるからである。

自分の医療情報を入手するのに、早くて一か月、へたをすると三か月以上も待たされるのみならず、コピー一枚に付き1ドルが請求されるのである。この驚くべき官僚主義的対応の原因として、HIPAA法(Health Information Portability and Accountability act)の存在を指摘する声が日増しに高まっている。「権利宣言」の発案者の一人であるアダム・ボスワース氏(GoogleHealthの前開発責任者)は、「HIPAAは1996年に作られた法律であり、今日の情報技術に適応していない」と批判しているが、このHIPAA法が官僚主義的対応を温存する法的根拠になっていることは事実であるようだ。 続きを読む

「患者データベース」のインプリケーション

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今日のお昼ごろ。たまたま昼食に出て、たまたま空を見上げると、新宿の空に日食が薄雲越しに見えた。それを、たまたま持っていたカメラで撮ったのが上の写真である。撮影時は午前11時50分。薄雲がかかっていたので、かえって撮影には良かった。もう少し雲が厚ければ太陽の姿は見えなかったし、逆に雲間から出ていれば、直に太陽を見ることになり撮影はできなかったと思われる。ありえないような偶然の産物である。

さて、戸塚洋二さんが残したブログ「The Fourth Three-Months」には、当方が戸塚構想と呼んでいる「患者データベース」についての考察が、断片的に、あちこちに散見される。闘病体験ドキュメントを「ファクト&データ」の側面から見直し、統計処理や相互比較しやすい形式に整理してデータベース化するという点では、たとえば次のような文言が残されている。 続きを読む

戸塚構想へ

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三連休、自宅で休養したり、熱い陽ざしの下、新宿御苑を歩き回ったり、企画書を書いたりして過ごした。その中で、徐々にTOBYO第2ステージのイメージが固まってきた。同時に、書店で思わず手に取った「2011年 新聞・テレビ消滅」(佐々木俊尚、文春新書)も面白く、読み出したら止まらなかった。いろんな収穫があった三連休だった。

第2ステージについて、「戸塚構想」ということが明確になってきた。この「構想」は戸塚洋二さんのブログの中に、「患者データベース」の呼称のもと、いくつかの着想が断片的に記されただけであり、全体を体系的かつ詳細に説明したものではない。だが、あちこちに飛散したアイデアを拾い集めて読みなおしてみると、「患者データベース」のおおよその全体像が浮かび上がってくる。 続きを読む

第二ステージへ

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TOBYOの見直しを進めている。先月のエントリでは今年後半の目標などについて触れたが、その後、それら従来計画も含め見直すことにした。最近の一連のエントリを見れば、TOBYOの変化をなんとなくわかっていただけるかもしれない。今月からTOBYOは、第二ステージへ向け動き出した。 続きを読む

NHK「物理学者 がんを見つめる 戸塚洋二 最期の挑戦」を見る

昨夜、NHK総合で次期ノーベル賞最有力候補と目されながら、昨夏がんで亡くなった戸塚洋二さんのドキュメンタリを見た。既にブログや本によって、晩年の戸塚さんの闘病についてはおよそのことは知っていたとはいえ、このドキュメンタリを見て、新たに発見したことも多かった。非常に良くできたドキュメンタリだと思う。

穏やかな日常時間、とでも言えば良いのだろうか。戸塚さんのブログエントリに書かれた事々が、それら時間の中に淡々と配列され、流れだし、そして同時に宇宙論、実験プロジェクト、仏教、庭の草花、闘病などが渾然と分かちがたく提示されている。押し付けがましいストーリーでも大仰なテーマでもなく、ただ穏やかな時間の中に宇宙から草花までが存在するような、そんな戸塚洋二さんの人生の提示のされ方に、好感を持ったのである。 続きを読む