NHK「物理学者 がんを見つめる 戸塚洋二 最期の挑戦」を見る

昨夜、NHK総合で次期ノーベル賞最有力候補と目されながら、昨夏がんで亡くなった戸塚洋二さんのドキュメンタリを見た。既にブログや本によって、晩年の戸塚さんの闘病についてはおよそのことは知っていたとはいえ、このドキュメンタリを見て、新たに発見したことも多かった。非常に良くできたドキュメンタリだと思う。

穏やかな日常時間、とでも言えば良いのだろうか。戸塚さんのブログエントリに書かれた事々が、それら時間の中に淡々と配列され、流れだし、そして同時に宇宙論、実験プロジェクト、仏教、庭の草花、闘病などが渾然と分かちがたく提示されている。押し付けがましいストーリーでも大仰なテーマでもなく、ただ穏やかな時間の中に宇宙から草花までが存在するような、そんな戸塚洋二さんの人生の提示のされ方に、好感を持ったのである。 続きを読む