2009/07

ある闘病者の言葉

2009/07/02 木曜日 - 19:39:13 by 三宅 啓

sky

あなたが無駄に過ごした今日は
昨日死んでいった誰かが生きたいと願った 明日です

「あたしの生き方」 yukari5907 高次脳機能障害

闘病サイトのドキュメントを読んでいると、しばしば「ドキッ」とする言葉に出会う。このサイト「あたしの生き方」作者の言葉も、最近、記憶に残った言葉の中の一つである。なるほど、われわれは「死者」の視点から見た「未来」に生きているのだ。このような「死者の視点」に気づかせてくれた貴重な言葉である。

三宅 啓  INITIATIVE INC.

医療コミュニケーションの視点

2009/07/03 金曜日 - 19:19:08 by 三宅 啓

先日エントリで日本の医療機関ウェブサイトの現状について、かなり悲観的な見方を書いた。ちょうどハーバードメディカルスクールのCIO(Chief Information Officer)を務めるJohn Halamka氏が、BIDMC(Beth Israel Deaconess Medical Center)のウェブサイトの全面リニューアルについてのエントリをTHCBにポストしたので、改めてこの問題を考えてみた。

BIDMCサイトはMS「SQL Server 2008」上に構築されているのだが、サイト上の様々な機能を、各種アプリケーションプロバイダーから調達し組み合わせて最適化して出来上がったものである。サイト上の各機能とそのプロバイダーは次のようになっている。 »もっと読む・・・ »

PHRとHealth2.0:プレゼン・スライド

2009/07/06 月曜日 - 18:42:24 by 三宅 啓

先週、ワシントンDCで開催された米国医療法律家協会(AHLA)年次総会において発表されたスライド。発表者はRobert Coffield氏。彼は法律家として「Health Care Law Blog」でHealth2.0の論陣を張ってきている。このスライドではPHRとHealth2.0の位置関係が若干語られているが、少し食い足りない気もする。おそらくPHRは、Health2.0のみならず医療システム全体の基本インフラになるはずなのだが、それを言うのはもう少し先なのかも知れない。 »もっと読む・・・ »

オンライフのサービス終了を惜しむ

2009/07/07 火曜日 - 16:47:31 by 三宅 啓

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7月24日をもってオンライフがサービスを終了するとのことである。突然の発表に驚いている。先月の当ブログのエントリ「日本のHealth2.0経済圏の創造へ向けて」に「エスタブリッシュメント側からも資金、人、知恵、情報が集まるような仕組みを作らなければならない」などと書いたが、当方はまさにちょうどそのスキームを作るべく動き出したところであり、当然、オンライフの皆さんにもご協力をお願いしようと考えていた。

サービス終了に至る経緯は「ヨセミテblog」に詳しく記されている。スタートアップ企業が直面する問題とその総括が率直に公開されているが、貴重な事業経験として、今後、ベンチャー企業コミュニティ全体に共有されるだろう。ここまで真摯に書かれた総括書に対し、あれこれ論評する必要はないと思った。四人の皆さんの決断を、素直に、そのまま、丸ごと受け止めたい。 »もっと読む・・・ »

Health2.0企業の針路

2009/07/08 水曜日 - 21:46:02 by 三宅 啓

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昨日エントリで取り上げたが、同じ目標を持ち活動していた仲間が減るのはやはり寂しい。だが、それでもとにかく前進しなければならないのだ。闘病者の自発的活動によって形成された闘病ユニバースに基づいて、新しい医療サービスを生み出し持続させるために、さまざまなプレイヤーが参画できるようなビジネススキームを創り出していかなければならない。

TOBYO自体もこれら多様なプレイヤーの活動プラットフォームとして機能すべく、柔軟に対応できなければならない。TOBYOは、まず闘病ユニバースの情報共有インフラであることを目指しているが、そのことにとどまらず、さらに広く社会的な闘病体験共有インフラとしても機能することを目指していきたい。闘病ユニバースで生成された闘病体験情報は、闘病者同士で活用されるだけでなく、医療界、産業界、医療行政などにおいても価値を持つ情報である。つまり闘病体験情報を闘病ユニバース内部だけではなく、社会的に還流させることによって、闘病者が体験した具体事実が、製品開発、サービス開発、医療業務改善、医療教育、研究などに活かされる道をつくるのだ。このような闘病体験の「情報流」を創り出すことが、Health2.0企業にとってのマネタイズの前提である。 »もっと読む・・・ »

EHR2.0とは何か

2009/07/10 金曜日 - 22:02:27 by 三宅 啓

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春先からClinical Groupwareという言葉をブロゴスフィアで目にするようになった。そして、米国における医療IT関連認証機関であるCCHITの「EHR認証」をめぐる論争が起き、やがてEHR2.0という言葉が語られるようになった。

従来のEHRが「クライアント&サーバ」システムでプロプライエタリなビジネスモデルであるのに対し、EHR2.0はクラウド・コンピューティングを活用したウェブベースでオープン&相互運用可能なものと想定されている。

これらEHR2.0議論を、総括的に要領よくまとめたプレゼンテーションファイルが公開されたのでご紹介しておきたい。表題にある「HITECH Act」とは「Health Information Technology for Economic and Clinical Health Act」で、オバマ政権が打ち出した医療関連景気浮揚法案。このプレゼンテーションファイルを作成したのはVince Kuraitis氏だが、氏はかつてGoogle Healthの概要を公開に先立って予測し話題になった。ダウンロードは下記「EHR20」から。

EHR20 (PDF)

“EHR 2.0: HITECH Act Stimulus Funds Create Care Collaboration Opportunities In A Networked Health System  “

三宅 啓  INITIATIVE INC.

闘病記とPHR

2009/07/13 月曜日 - 19:32:38 by 三宅 啓

あるテーマで週末から企画書を書いていた。その中で触発される形で、これまで考えてきたことを改めて点検したり、今後の方向性を想定してみたりしていたが、闘病記あるいは闘病ドキュメントについていくつかのポイントを確認できたように思う。

当初このブログは、闘病記とその価値をさまざまな観点から考察していたのだが、徐々にその中身は変わってきたと思う。特にストーリーや物語性という点で闘病ドキュメントを見ることから段々と離れて行き、「体験事実とデータ価値」という側面を重要視するようになってきた。人が「闘病記」に求めるものはさまざまである。だが、米国のPatientsLikeMeなどの影響もあるだろうが、「病気を治すデータ」という見方へと当方の闘病ドキュメント観は変わってきている。人は闘病記を書くために生まれてきたのではない。できれば闘病記を書かずに人生を送った方が幸せだろう。 »もっと読む・・・ »

闘病体験を「物語性」の封印から解放せよ

2009/07/14 火曜日 - 19:52:20 by 三宅 啓

昨日エントリで、闘病ドキュメントに対する当方の見方の変化について書いたわけだが、結局のところ闘病ドキュメント自体に関与していかなければ、TOBYOが「体験事実とデータ価値」に向けてその利用方法を進化させていくことはないと思う。現在の闘病ドキュメントはネット上に分散して存在している。当然、分散した情報を分散したまま利用するのがネット的なありかたなのだが、そうはいっても検査データの記録方法などは統一しておかないと、多くの闘病者の体験事例を数値データで集約し統計分析することはできない。つまり本当の意味での「データベース」としての使い方ができないわけだ。

現状は、たくさんの闘病者がネットで情報を公開していながら、それらサイトに蓄積されたデータを集計したり相互比較したりすることもできない。せっかく有用なデータがあるのに、それらを効率的に利用する方法が開発されていないのである。物理学者の戸塚洋二さんなども、実はその点を指摘していたわけだが、これを解決するためにはPHRと合体したような闘病サイトサービスを開発し、そこでデータを記録しながら闘病ドキュメントを書いてもらうしかないと思う。このような闘病サイトサービスにはさまざまなアプローチ方法があるだろうが、PatientsLikeMeなどはSNSというアプローチを選択しているわけである。 »もっと読む・・・ »

NHK「物理学者 がんを見つめる 戸塚洋二 最期の挑戦」を見る

2009/07/15 水曜日 - 22:20:19 by 三宅 啓

昨夜、NHK総合で次期ノーベル賞最有力候補と目されながら、昨夏がんで亡くなった戸塚洋二さんのドキュメンタリを見た。既にブログや本によって、晩年の戸塚さんの闘病についてはおよそのことは知っていたとはいえ、このドキュメンタリを見て、新たに発見したことも多かった。非常に良くできたドキュメンタリだと思う。

穏やかな日常時間、とでも言えば良いのだろうか。戸塚さんのブログエントリに書かれた事々が、それら時間の中に淡々と配列され、流れだし、そして同時に宇宙論、実験プロジェクト、仏教、庭の草花、闘病などが渾然と分かちがたく提示されている。押し付けがましいストーリーでも大仰なテーマでもなく、ただ穏やかな時間の中に宇宙から草花までが存在するような、そんな戸塚洋二さんの人生の提示のされ方に、好感を持ったのである。 »もっと読む・・・ »

第二ステージへ

2009/07/18 土曜日 - 00:36:57 by 三宅 啓

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TOBYOの見直しを進めている。先月のエントリでは今年後半の目標などについて触れたが、その後、それら従来計画も含め見直すことにした。最近の一連のエントリを見れば、TOBYOの変化をなんとなくわかっていただけるかもしれない。今月からTOBYOは、第二ステージへ向け動き出した。 »もっと読む・・・ »