Health2.0と日本

昨日の続きだが、日本のHealth2.0というものはまだない。私たちのTOBYOをはじめ、いくつかの新しい試行が始まっているとはいえ、それはまだ米国のHealth2.0ムーブメントのようなパワーを持つには至っていない。ついでに言えば、このHealth2.0という言葉自体が、まだまだ一般的に日本で語られることは少ないのである。おそらくこの当方ブログが、Health2.0関係のニュースを日本で一番多く発信しているはずだ。欧米ではレガシーメディアまでがHealth2.0をしばしば取り上げているが、日本では今のところ皆無である。

どうしてこのような「情報格差」が日本と世界の間で生じてしまったのだろうか。これにはさまざまな説明が可能だろうが、前から気になっているのは「2.0の受容性」という問題である。多かれ少なかれ、Health2.0がweb2.0のインパクトを受けて登場してきたのは間違いないと言えるだろうが、そのweb2.0の受容の仕方が日本と欧米では何か違っていたのではないかと思う。日本の場合、web2.0は非常に皮相なレベルの理解として受容され、流行現象として消費され、早々に終わってしまったのではないだろうか。しかも社会全体ではなく、非常に限定的な層にしかweb2.0の持つ意味は受容されなかったと思う。特にアカデミズムをはじめエスタブリッシュメント層には、ほとんどさしたる影響を与えることもなく無視された可能性が高い。「況や医療においてをや」である。 続きを読む