病院とソーシャルメディア

海外では、ブログ、Twitter、SNSなどソーシャルメディアを活用する医療機関が増えてきている。その動向を知る上で恰好のスライドが公開された。スライド制作者はメリーランド大学メディカルシステムのウェブ戦略ディレクターを務めるエド・ベネット氏。ソーシャルメディアを病院のコミュニケーション活動に活用するためのガイドとして役に立つ。

ところで、日本でこのような活動例をまったく耳にしないのが奇異に思えるのだが、伝統的に日本の病院は社会とのコミュニケーションを等閑視してきたと言えるだろう。海外では、たとえばメイヨークリニックなどは「医療通信社」と言えるほどの規模のコミュニケーション事業を擁しており、マスメディアや社会に向けてニュースやコンテンツ配信を積極的に行っているが、日本ではこのような事例は皆無である。「ソーシャルメディアの活用」云々を言う前に、いまだコミュニケーション活動に対する基本認識の形成段階にあるのが日本の医療の現状と言うべきかもしれない。

三宅 啓  INITIATIVE INC.