「闘病記」を越えて(1)

このブログでウェブ上の闘病記のことをあれこれ考察しているうちに、皮肉なことだが「闘病記」という呼称自体に対する当方の違和感は、だんだん大きくなってきている。だが、「闘病記」に代わる適切な呼称とて見つからず、他者にわかりやすく説明する必要もあって、依然としてこの呼称を用いなければならないのが実はもどかしい。

当方のその違和感を探ってみると、「リアル本の闘病記がまずあり、ウェブ闘病記はその代替物みたいなもの」などとリアル本の優越を主張するような、そんな従来の「研究者」たちの言説に対する反発みたいなところにたどり着くと思われる。昨年、「闘病記研究会」なるものに異論をぶつけたのも、実はそのような「反発」があってのことだった。
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