オープンソース方式で医学調査研究:CureTogether

CureTogether

新しい患者SNSとして登場したCureTogether。一見してPatientsLikeMeと似ているのだが、「open source health researchのプラットフォーム」であることを強調しているところが非常におもしろい。新薬開発、新治療法開発にともなう調査研究を、Linux開発などと同じように、オープンソース方式でやってみようというのである。

HIV/AIDSや癌をはじめ、新薬や新たな治療法の開発が急がれている疾患は多いが、これまでは個別製薬メーカーが、調査研究に莫大な開発費用と時間を投資して開発を進めていたわけである。製薬メーカーにとって開発リスクは大きいものの、いったん開発が成功すれば、特許によって独占的に巨大な利益を上げることが可能であった。だが、これら新薬開発など医学的成果は個別企業が独占するものではなく、広く人類の公共財としてパブリックに共有すべきものだとの批判も一方には存在したのである。知識情報をはじめ医学的成果は、もともとパブリックな性格を有しているはずだからだ。 続きを読む

始まりの終わり

anniversary09

今週、2月18日、TOBYOは公開一周年を迎える。スタート時点の収録闘病記2000件は、現在12700件を数え、最大規模の闘病情報サイトへとTOBYOは成長してきている。また、闘病記だけを検索対象とする初の特化型検索エンジン「TOBYO事典」もフル稼働を開始した。

TOBYOは、闘病者たちが創り上げてきた闘病ユニバース(闘病宇宙:闘病ネットワーク圏)に蓄積された「患者の叡智」を活用するためのインフラツールを目指している。TOBYOは、単独ではいかなる機能も果たすことはできない。先行して闘病ユニバースが存在していたことが決定的に重要なのだ。だから1周年にあたり、闘病ユニバースを創造したすべての闘病者に、TOBYOはあらためて敬意を表明しておきたい。 続きを読む

日本のHealth2.0:milog(つぶやき型ライフログSNS)


本日(2月13日)、twitterライクな「つぶやき型SNS」にライフログ(生活情報記録)機能を加えた「milog」(ミログ)が公開された。東京大学、東京工業大学の2人の学生が開発したこの「milog」には、医療サービスを提供する構想もあるようだ。

東京大学医科学研究所と共同研究で、医療系ウェブサービス開発、3月から臨床研究を実施。

東京大学医科学研究所先端医療社会コミュニケーション社会連携部門と連携し、禁煙外来、メタボリック外来を対象とした慢性疾患系外来患者の生活習慣改善プログラムの取り組みの継続率、成功率を検証する試みを、都内医療機関の協力のもと09年3月~5月に臨床研究実施、09年末に医療論文の研究発表を予定しております。(プレスリリースより)

実は当方は、以前からtwitterを利用した医療サービスに注目しており当ブログにエントリをポストしたこともあるが、現役の東大生で「milog」を開発した城口さんから、そのエントリをヒントに開発されたとのメールを頂戴した。本当であるなら、たいへんうれしいし、また非常に光栄である。 続きを読む

日本のHealth2.0:オンライフの進化

OnLife090212

昨日(2月12日)、「みんなの闘病サイト、オンライフ」バージョンアップ版が公開された。同社の津田社長ブログによれば

簡単に言うと、「疾患プロフィール」と「闘病日記」機能の追加により
「患者さん向けSNS」のようなサービスになったということです。

とのこと。「疾患プロフィール」とは闘病記作者プロフィールを「基本情報」、「自己紹介」、「関わりのある疾患」、「患者年表」、「投薬履歴」、「関心のあるキーワード」で整理できるページ。「闘病日記」機能とはその名のとおり闘病ブログを書く機能。これによって、疾患ごとの共用プラットフォームと個人プラットフォームの連携が強化され、サイト全体がすっきりと見通し良くなった。 続きを読む