2009/02

最近の闘病サイト動向

2009/02/02 月曜日 - 18:54:20 by 三宅 啓

tobyo_ki

TOBYO収録闘病サイトは1万2千を超えたが、全体として、闘病ネットワーク圏はどんどん拡大しているという感触がある。今年に入ってから立ち上げられた闘病サイトも多い。最近目につく主な傾向をいくつか拾ってみると、次のようになる。

  1. メンタルヘルス系闘病サイトの急増
  2. 複数サイトの使い分け
  3. 「吐き出しサイト」の増加

まず、闘病サイト全体の中で、メンタルヘルス系闘病サイトが目立って増加している。特に最近は、やはり不況を反映してか、長期病気休暇の末に職を失うケースが働き盛りの30代、40代で顕著であり、事態の深刻さが闘病サイトからうかがえる。また3番目の「吐き出しサイト」にも関連するが、うつ病などの認知療法の一環として闘病サイトを開設する闘病者も多いようだ。「ブログ療法」を医療者が勧めているケースもある。 »もっと読む・・・ »

成熟と老成

2009/02/04 水曜日 - 19:25:41 by 三宅 啓

エスタブリッシュメント企業やメディアの方々と話をしていて、時々、まったく話が通じないことがある。インターネットに対し、いまだに妙な偏見を持っていることがわかり、シラけてしまうことも多い。予断や偏見はまだ根強く存在するのだ。

TOBYOは闘病サイトに公開された闘病者の知識や体験を活用するツールであるが、なぜかエスタブリッシュメント企業の方々は偽装闘病サイトなどに強い関心を示し、「偽装サイトをどうやって排除するのか」について執拗に聞かれることがある。まるで「ネット上にユーザーが公開したコンテンツなんか信用できるものか」と言わんばかりなのだ。つまりネガティブな粗さがしに熱心で、予断を正当化するような事実だけに注意を向けるような方々が多いのだ。 »もっと読む・・・ »

PracticeFusion社の衝撃

2009/02/05 木曜日 - 19:26:06 by 三宅 啓

先日、NTTPCコミュニケーションズが医療情報サービス企業と組み、診療所向けにEMR(電子カルテ)システムをSaaS(Software as a Service)で提供するとの記事を読んだ。全国約9万件の診療所は、病院のような大規模なEMRを必要としないので、SaaSベースのEMRシステム提供は今後増えるだろう。しかしこの記事を読んで思い出したのは、PracticeFusion社の無料EMRシステムのことである。

米国では最近、改めて「Disruptive Innovation」(破壊的イノベーション)を実現したと同社を評価する声が高まっているが、たしかにPracticeFusionが医療IT市場に与えたインパクトは大きい。何といっても「無料」のEMRである。以前のエントリでも取り上げたことがあるが、従来、既存ベンダが提供する診療所向けEMR価格(初期投資)はおよそ2万ドル。さらにメンテナンスやアップグレードの費用が加算され、医師個人にとって負担は大きく、結局、導入コストがEMR普及の足を引っ張る要因であった。 »もっと読む・・・ »

Depression is going on

2009/02/06 金曜日 - 18:37:13 by 三宅 啓

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日本の某宰相の国会答弁は、最近その「ぶれ」っぱなしの迷走ぶりが顕著だが、英国ではブラウン首相の「言い間違え」答弁が物議を醸している。

「世界は恐慌」。英国のブラウン首相が4日、国会でこう口を滑らせた。恐慌(depression)は景気後退(recession)より深刻な長期不況を指す。失業者が急増した1930年代の世界大恐慌を連想させ、企業や個人の景況感にも影響を及ぼしかねないため、首相官邸は「言い間違え」と釈明に躍起になっている。
野党・保守党のキャメロン党首との論戦中に「我々は“恐慌”脱出に向け世界全体で金融・財政政策に合意すべきだ」と発言した。「我々の知らない(恐慌の)兆候があるのか」とすかさず野党が追及し、後で首相報道官が「景気後退と言うつもりだった」と訂正するドタバタになった。(日経090204

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書評:「ネットで暴走する医師たち」鳥集徹、WAVE出版

2009/02/09 月曜日 - 19:08:29 by 三宅 啓

本書はいろんな意味で「話題の書」になっているらしい。当方は以前、ネット医師とか医師ブロガーと称される方々のブログをかなり集中して読んでいた時期がある。現状医療制度に対する、医師たちの本音や考え方をブログから把握したいと考えていたからだ。ところがいつのまにやら、継続して読む医師ブログはなくなってしまった。別に積極的な理由はないが、これら医師ブログは広い読者層を想定しているようには見えず、狭い医師社会内部の「内輪話」に終始しているように感じたからだ。また、どうやらマスコミを敵視する点で、これらの医師ブログは共通しているようだが、たとえば頻繁に新聞記事を引用し、その一言一句を重箱の隅をほじくるような執拗さであげつらうその”stickiness”に辟易したためでもある。

米国やヨーロッパの医師ブログは数多く読むが、日本と違うのはそれらすべてが実名で書かれている点だ。日本では実名の医師ブログは圧倒的に少ない。海外では医師のみならず、プロフェッショナルな専門職を持つ人ほど実名でブログを書いている。匿名で書くのは自由だが、匿名ゆえの気楽さは、時として自律性を欠いた言論へと暴走することもあるだろう。本書のテーマはそこにある。 »もっと読む・・・ »

米国医師SNSの現状

2009/02/10 火曜日 - 18:45:45 by 三宅 啓

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米国マンハッタンリサーチ社が医師と情報技術に関する調査レポートを発表したが、その中で医師SNSの現状に触れているのが注目される。

同レポートによれば「医師SNSに参加しているか興味を持つ」と答えた医師は60%であり、後の40%は「興味がない」としている。また、既に医師SNSに参加している医師プロフィールの傾向として、同レポートは次のように報告している。

  • プライマリケアの医師
  • 女性
  • PDAか携帯電話を所有
  • 診療中あるいは診療の合間にオンライン接続
  • 医師平均年齢よりもやや若い層

以上の中で、「女性」が医師SNSの中心メンバーであるとの結果に特に注目が集まっている。これは従来まったく知られていなかっただけに、その原因について、さまざまな仮説が出されているようだ。 »もっと読む・・・ »

闘病サイトのライフサイクル

2009/02/12 木曜日 - 18:54:36 by 三宅 啓

TOBYOでは、引き続き闘病サイト情報を収集している。現在、約12,500件の闘病サイト情報を公開しているが、この中身を見ると、これらサイトは決して不動のものではなく、実は流動的である。闘病サイトは永遠不滅なものではない。闘病ネットワーク圏を観察していると、どんどん新しい闘病サイトが登場する一方、ひっそり閉鎖され消えていくものも多いことに気づく。

何もない空間(ネット上)に、突然、ポッと光が現われ、明滅を始め、やがて消えていく。

私が闘病サイトを観察しているうちに抱いたイメージはそのようなものである。かつて闘病ネットワーク圏のことを宇宙にたとえたことがあるが、それは闘病ネットワーク圏を構成する闘病サイト群が、全体としてまるで宇宙に散在する銀河、星雲、恒星のように見えたからだ。個々の闘病サイトは出現しては消滅している。これについては「宇宙=量子論的な真空」を想起する必要があるのかもしれない。 »もっと読む・・・ »

日本のHealth2.0:オンライフの進化

2009/02/13 金曜日 - 18:31:38 by 三宅 啓

OnLife090212

昨日(2月12日)、「みんなの闘病サイト、オンライフ」バージョンアップ版が公開された。同社の津田社長ブログによれば

簡単に言うと、「疾患プロフィール」と「闘病日記」機能の追加により
「患者さん向けSNS」のようなサービスになったということです。

とのこと。「疾患プロフィール」とは闘病記作者プロフィールを「基本情報」、「自己紹介」、「関わりのある疾患」、「患者年表」、「投薬履歴」、「関心のあるキーワード」で整理できるページ。「闘病日記」機能とはその名のとおり闘病ブログを書く機能。これによって、疾患ごとの共用プラットフォームと個人プラットフォームの連携が強化され、サイト全体がすっきりと見通し良くなった。 »もっと読む・・・ »

日本のHealth2.0:milog(つぶやき型ライフログSNS)

2009/02/13 金曜日 - 19:21:49 by 三宅 啓


本日(2月13日)、twitterライクな「つぶやき型SNS」にライフログ(生活情報記録)機能を加えた「milog」(ミログ)が公開された。東京大学、東京工業大学の2人の学生が開発したこの「milog」には、医療サービスを提供する構想もあるようだ。

東京大学医科学研究所と共同研究で、医療系ウェブサービス開発、3月から臨床研究を実施。

東京大学医科学研究所先端医療社会コミュニケーション社会連携部門と連携し、禁煙外来、メタボリック外来を対象とした慢性疾患系外来患者の生活習慣改善プログラムの取り組みの継続率、成功率を検証する試みを、都内医療機関の協力のもと09年3月~5月に臨床研究実施、09年末に医療論文の研究発表を予定しております。(プレスリリースより)

実は当方は、以前からtwitterを利用した医療サービスに注目しており当ブログにエントリをポストしたこともあるが、現役の東大生で「milog」を開発した城口さんから、そのエントリをヒントに開発されたとのメールを頂戴した。本当であるなら、たいへんうれしいし、また非常に光栄である。 »もっと読む・・・ »

始まりの終わり

2009/02/16 月曜日 - 18:45:27 by 三宅 啓

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今週、2月18日、TOBYOは公開一周年を迎える。スタート時点の収録闘病記2000件は、現在12700件を数え、最大規模の闘病情報サイトへとTOBYOは成長してきている。また、闘病記だけを検索対象とする初の特化型検索エンジン「TOBYO事典」もフル稼働を開始した。

TOBYOは、闘病者たちが創り上げてきた闘病ユニバース(闘病宇宙:闘病ネットワーク圏)に蓄積された「患者の叡智」を活用するためのインフラツールを目指している。TOBYOは、単独ではいかなる機能も果たすことはできない。先行して闘病ユニバースが存在していたことが決定的に重要なのだ。だから1周年にあたり、闘病ユニバースを創造したすべての闘病者に、TOBYOはあらためて敬意を表明しておきたい。 »もっと読む・・・ »