祝600エントリ!祝ブログ二周年!

Another_World

このブログも今週(12月18日)で二周年を迎え、このエントリが600本目となる。特にこれという感慨もない。国内には新しい医療インターネット情報サービスについての情報が少ないので、海外ブログを大量に読み、あれこれ考え、自分のメモとして書き続けてきただけである。このように書き散らかしてきた雑文が、もし少しでも誰かの参考にしていただけるとしたら、少しは喜んでもよいのだろう。しかし、そのあたりは漠として掴みがたい。 続きを読む

患者の叡智: Wisdom of Patients

公募選出の患者家族委員4人が、日本小児アレルギー学会の専門医と協力して作った「家族と専門医が一緒に作った小児ぜんそくハンドブック2008」(協和企画)が出版された。医学的な内容は専門医が監修し助言したようだが、ハンドブックの構成、執筆などはすべて患者委員が担当した。これは画期的なことである。

診断・治療法など専門知識に偏りがちな医師向けの指針と異なり、ぜんそくの症状を自らコントロールし、安心して暮らすための生活の知恵が数多く紹介されているのが特徴。ぜんそく発作が起きた場合の対応では、体温を測る、水を飲ませる、など効果的な手当の手順を紹介したほか、救急車を呼ぶべき発作と、自宅で様子を見てよい発作の見分け方も記載した。

(中略)

患者委員を務めたアレルギー患者団体「アラジーポット」の栗山真理子専務理事は『患者はただの素人ではなく、病気と向き合う知識と経験を持つ専門家。患者が何を知りたいかは患者自身が一番知っている』と強調。 (12月13日日経夕刊) 続きを読む

時代は変わる: The Times They Are a-Changin’

bob_dylan

みんな集まってあたりを見回してみろ
周囲の水が嵩を増してくるのがわかるだろう
もうすぐ骨の髄までびしょ濡れさ、わかるだろう
時間を無駄遣いしたくないなら、すぐに泳ぎ出した方がいいぜ
さもないと、石のように沈んでしまう
時代は変わりはじめたから
(「時代は変わる」ボブ・ディラン)

今日も東京は快晴。窓から富士がくっきり見える。久しぶりに広告会社時代の先輩とランチをしながら、あれこれ語り合った。なぜだか先輩は元気がないように見受けられた。思い当たることは一つしかない。広告業界の惨状である。だが、あえてその話題には触れずに、当方のTOBYO進行状況やネット関連の方へ話を向けた。 続きを読む

さまざまなHealth2.0論

BusinessWeek0812

先週、12月4日付けのBusinessWeekの記事「Health 2.0: Patients as Partners」  で、かなり大きくHealth2.0が取り上げられた。Health2.0はすでにニッチなトレンドではなく、社会的な広がりと小さくない影響力を持つムーブメントとして認知されつつあることを、この記事は物語っているだろう。記事のクオリティも高いので、Health2.0に関心を持つ者は必見である。

ところで、スコット・シュリーブがブログエントリ「Short Selling: Why the Long View is Critical for Health 2.0」 でこの記事を批判をしている。BusinessWeek記事が、SNSだけに焦点を絞ってHealth2.0を語っていることに対する、彼独特の苛立ちがこのエントリを読んでわかった。そう言えば、この「定義」関連の問題をめぐって、二年前から様々な論客とスコット・シュリーブとの間で論争があったことが思い出される。 続きを読む

12月の雨の日

水の匂いが眩しい通りに
雨に憑かれた人が行き交う
雨上がりの街に風がふいに起こる
流れる人波をぼくは見ている
(はっぴいえんど「12月の雨の日」松本隆作詞)

窓ごしに雨の新宿の街を見ていると、ふいに遠い記憶からこの歌が思い出された。師走というあわただしい時が駆け抜ける街で、この歌が描き出すのはむしろ妙に静謐な街の佇まいである。そのきわだった対照ゆえに記憶に残っているのかもしれない。

検索エンジン開発は、いろいろな障害を一つ一つ乗り越えて進行中。なんとか15日には公開したい。当面はこれまでテスト運用してきたものと同様の検索機能になるが、いずれ、もう少し違ったかたちで検索機能を提供することも考えている。闘病ネットワーク圏の可視化の方法については、さまざまに多様な可能性があるからだ。たとえば検索対象を特定の病名闘病サイトだけに絞り可変的に選択できるようにすれば、ユーザーはより一層情報を扱いやすくなるだろう。いずれにせよ、特定ワードを探し出すだけでは不十分だと考えている。 続きを読む