闘病者の知識と体験をどう活かすか

autumn08

なんだかんだと言っているうちに2008年も12月である。これからやらなければならない仕事が多すぎて、「今年はこうだった」などと回顧するにはまだ早すぎる。春先からどっと仕事が押し寄せ、気がつけば秋も深くなっていたような、そんな味もそっけもない一年であった。だが一方、ひたすら闘病サイトに多数接してきて、そこから多くのことを学ぶことができたのは幸いであった。TOBYOのコンセプトやビジョンを、どんどん豊富化し修正していくことができたのも、それら闘病サイトから膨大な暗黙知を学び取ることができたからだ。

マーケティングの世界では「市場のことは市場に聞け」という格言がある。机の上であーだこーだと何時間も議論するよりは、売り場へ足を運び、そこでどんな客がどんな様子で商品を選択しているかを実際に目で確かめるところから出発すべきだという戒めの言葉である。その意味では「闘病サイトのことは闘病サイトに聞け」ということになる。1万件以上の闘病サイトに接してみると、インターネットという空間に、まったく新しい可能性を持った闘病者の活動と成果物が次々に生み出されていることを実感できたのである。 続きを読む