広告業界の後姿

昨日エントリで、戦後日本の消費社会を画する「潮目」の話をした。この「潮目」以降、コマンド&コントロール型マーケティングは実質的に終わったのであるが、そのことはまた、このタイプのマーケティングのエンジン役を果たしてきた広告業にも影響を与えることになった。本当は、それは広告業界にとって本質的な「脅威」であったが、このことを表だって広言する者はおらず、「脅威」は水面下に封印されてしまったのだ。

そして「潮目」からおよそ10年たった1995年。インターネットが本格的に社会に浸透し始め、それまで水面下に静かに潜行していた「脅威」はその破壊的パワーを蓄積しつつ、徐々に浮上し始めたのである。だが20世紀を通じて、水面下の「脅威」は可視化されず、誰もが「業界」という船上豪華パーティーにうち興じていた。 続きを読む