2008/07

サンデー毎日(7/13号)にTOBYO紹介記事

2008/07/01 火曜日 - 13:44:51 by 三宅 啓

SundayMainichi

本日発売のサンデー毎日(7/13号)に掲載された記事「『一人で悩まなくてもいい』頼れる『がん闘病記サイト』」でTOBYOを紹介してもらいました。ありがとうございました。

これまで闘病記といえば、出版されたリアル闘病記の方に目が行きがちで、闘病サイトの方はどちらかと言えば胡乱な目にさらされてきた感があります。その意味では、このサンデー毎日の記事は、春先の西日本新聞記事とともに、マスコミが闘病サイトを正当に評価した記事として価値があると思いました。

これまで過小評価の憂き目にあってきた闘病サイトですが、この記事をきっかけとして、さらに社会的な注目が集まればと思います。もちろん、これら闘病者によって制作されたコンテンツは玉石混淆ですが、これらの中から優れたコンテンツを選び出していく役割も、今後TOBYOは果たしていきたいと考えています。

三宅 啓  INITIATIVE INC.

雑感と「変化への期待」

2008/07/02 水曜日 - 18:24:57 by 三宅 啓

梅雨の中休みが続いているが、もう気分は夏へ向かっている。TOBYOはベータ版を公開したが、バーティカル検索「TOBYO事典」の検索対象拡大など、やらなけらばならない仕事は山積している。TOBYO事典のテスト運用をしてみると、当初予定していた以上のインデクシング・ページ数が発生していることがわかり、リソース調整など新たな課題も出てきている。全病名の横断検索実現のためには、今少し時間がかかるかもしれない。 »もっと読む・・・ »

Health2.0カタログ

2008/07/03 木曜日 - 18:11:00 by 三宅 啓

クリーブランドクリニックのジョン・シャープ氏が、「Health2.0カタログ」とも言うべき紹介スライドを公開した。これまで氏の同様スライドは、どちらかと言えばWeb2.0の紹介にとどまるものであったが、今回は、Health2.0の具体的な事例に即したものになっている。それだけHealth2.0サービスのラインナップが充実してきたためでもあろう。

このスライドを見ながら思ったのは、当たり前のことではあるが、「やはりHealth2.0はリアルを置換するものではなく、ウェブでのみ実現できる新しい領域を開拓することなのだな」ということである。リアル医療やその周辺サービスを単にウェブに持ち込んだり置換したりするような発想を「Health1.0」であるとすると、Health2.0はウェブ上のイノベーションが逆にリアル医療を変革するようなベクトルを持つべきなのだろう。闘病記にしても、出版物の闘病記と、ウェブ上に構築された闘病情報拠点としての闘病サイトはまるで別物と考えるべきだ。

三宅 啓  INITIATIVE INC.

病院レーティング

2008/07/04 金曜日 - 17:48:42 by 三宅 啓

今日は来客があり、ひとしきり新しいヘルスケア・ビジネスについて意見交換したのだが、ずいぶん久しぶりに病院レーティングの話題が出た。思えば当方は、数年前、この病院レーティングを事業化しようと起業したのだった。それが紆余曲折を経て、結局、TOBYO開発へとたどり着いたのだが、その後の日本の病院レーティング・サービス分野を見ると、どうやらさしたる成果も上がっていないように見受けられる。

日本の場合、病院の情報開示が遅れており、レーティングに必要な基礎データの入手が難しいことがこの分野の事業化を困難にしている。特にアウトカム(治療成績)データだが、これは病院レーティングには必須であるにもかかわらず、ほとんど病院からは公開されていない。まれに病院サイトで公開されている例も目にするが、非常に恣意的な公開方法がとられており、病院を相互比較できるようなものではない。 »もっと読む・・・ »

Health2.0ビジネスを加速する「Health2.0 Accelerator」

2008/07/07 月曜日 - 18:25:18 by 三宅 啓

Health2.0Accel

昨秋、サンフランシスコで開催された第一回Health2.0コンファレンスにおいて、実は地味であまり目立たなかったのだが、一つ非常に興味深い提案があった。それはHealth2.0を一過性のブームに終わらせることなく、確実に成果を生み出すビジネス領域へと早急に育成するために、アクセラレーター(加速器)のような組織を作ってはどうかという提案であった。

そしてこのビジョンを提案したのが、かつてインターネット黎明期に「CommerceNet」(1994)を設立し、e-コマース発展の触媒として大きな役割を果たしたといわれるMarty Tenenbaum氏である。ちなみに、初期のCommerceNetメンバーには、ネットスケープ、ヤフー、そしてアマゾンなど後に急成長する錚々たる企業が名を連ねていたが、これらも当時は駆け出しのスタートアップ企業にすぎなかったのである。CommerceNetは、これらスタートアップ企業が成長するためのいわばビジネス・インフラ整備を進め、ウェブ業界が巨大な産業分野に成長することに寄与したのである。 »もっと読む・・・ »

この秋のMedicine2.0コンファレンス

2008/07/08 火曜日 - 17:29:09 by 三宅 啓

medicine2.0_site

来る9月4日、5日、カナダのトロントで開催が予定されているMedicine2.0コンファレンスの概要が徐々に固まってきている。公式サイトのトップページに記載されている出席対象者を見ると以下のようになっている。

  • 学者(医療専門家、社会科学、コンピュータサイエンス、エンジニア)
  • ソフトウェアとWeb2.0アプリケーションの開発者
  • コンサルタント、ベンダ、ベンチャーキャピタル、経営者、情報担当
  • エンド・ユーザー(医療専門家、消費者、ペイヤー)

このようにこのコンファレンスは、Health2.0コンファレンスと比較すると、どちらかと言えば医学を中心とした学術的色彩の強いコンファレンスを目指しているようだ。これはまた、医療消費者の改革ドライビングパワーを強く意識したHealth2.0ムーブメントへの、医学アカデミズム側からの対応と言えるかも知れない。そしてさらに、Web2.0が医療に与えるインパクトを医学アカデミズム側がどのように受け止めるべきか、という問題意識がとりわけ強く持たれていることもうかがえる。

Health2.0であれこのMedicine2.0であれ、「Web2.0と医療の間には、強い親和性があるはずだ」という直感的なコンセンサスがベースとなったムーブメントであると思う。別の言い方をすれば、このような「直観」がはたらかなければ何も起こらないということだ。そしてこの「直観」を持つか持たないかが、20世紀医療にとどまるか、次世代医療を構想し行動するか、という二つの態度を鋭く切断して分岐するものだと当方は考えている。以前のエントリでも述べたように、「2.0」とは「切断」の表徴であるからだ。

Health2.0とMedicine2.0。ではこの二つの「2.0」は、これまでの医療観にどのような切断線を引こうとしているのか。今、このことに最も興味がある。

三宅 啓  INITIATIVE INC.

「同質化」を越えて行く発想

2008/07/09 水曜日 - 19:46:02 by 三宅 啓

NYC_MindSpace

ニューヨーク市保健局はこのほど、最大手SNSであるMySpace.comに10代の若者を対象とするキャンペーンサイト「NYC TEEN MINDSPACE」  をローンチした。欧米では若者のマスメディア離れが急速に進んでおり、マスメディア中心の従来型キャンペーンではターゲットにリーチできないとの判断から、SNS中心のキャンペーン展開に踏み切ったようだ。

このサイトでは、クイズやゲームを用意したりキャラクターを設定したりして、若者が気軽に楽しみながら健康情報を利用できるような工夫をし、特に「うつ、ドラッグ、暴力」など、ニューヨーク市の若者が直面している問題に取り組んでいる。

ところで、なぜこのニュースを取り上げたかというと、新しいヘルスケアのサービス開発を考える際、この「ティーンエイジャー」という層が、これまでほとんど無視されてきたのではないかと思ったからだ。たしかに医療に対するニーズは、一般に高齢者ほど高まるだろうから、自然とその開発方向はおしなべて「シニア」へとシフトするだろう。だが、闘病サイトの現状を見るなら、「うつ」をはじめ、特にメンタル系の病気で10代の若者による闘病記が激増していることに気がつくはずだ。 »もっと読む・・・ »

新しい患者像と患者SNSをめぐって

2008/07/10 木曜日 - 20:03:57 by 三宅 啓

ときどき「患者SNSはどうあるべきか?。またそのフィージビリティは?」という議論をすることがあるのだが、米国の状況を見ていると、PatientLikeMeのような特化型患者SNSが成功しているのに対し、いわゆる一般的な汎用患者SNSはさほど成果を挙げていないようである。この点をどう読むかが、患者SNS開発の一番重要なポイントであるだろう。

患者SNSに対するユーザーニーズは、どうやら「似た者同士の交流」というような、誰もがすぐに思いつくものとは、まったく違うものとして考えなければならないのではないだろうか。「心の安らぎ」とか「慰安、癒し」などをシェアする場としてではなく、先日、ニューヨークタイムズがPatientLikeMeの紹介記事にいみじくも付けたヘッドライン「Practicing Patients」が示すように、「アクティブに病気を克服する実践的な活動の場としての患者SNS」という新しいイメージを持つことが、いまや必要になっていると思うのだ。 »もっと読む・・・ »

500エントリ

2008/07/11 金曜日 - 19:54:25 by 三宅 啓

一昨年の年末から書き始めた当ブログは、今日めでたく500回目のエントリをポストするに至った。思えばこの一年半の間に、従来にない新しい波が世界の医療シーンに押し寄せてくる様を、幸いにもわれわれはリアルタイムで目撃してきたのではなかったか。その意味ではこのブログは「幸運なブログ」だったと思う。

当初はこのブログのタイトルが示すように、われわれの新規事業「TOBYO」を開発する上で必要な情報をメモする程度の考えでスタートしたのだが、同時に伝わってきたアメリカのHealth2.0の盛り上がりに刺激を受け、「世界の医療変革ムーブメント全体の見取り図をつくろう」などと大それたことまで考えるにいたった。だが、そのようなマクロな透視図を作る作業は、結果として、われわれの「TOBYO」を客観的に評価し位置づける上でも必要なことであった。

また、世界の動向を見ることによって、日本の医療を相対化する視点を獲得することができたと思う。従来からの「連続体」として、あるいは所与の動かぬ環境として日本の医療を見るのではなく、Health2.0というまったく新しい視点から「日本医療」を批判的に検討することができたと思う。そしてその上で、TOBYOが果たすべき役割も次第に明らかになったのである。

また振り返ってみると、2005年あたりを境として、当方の情報収集方法は著しく劇的に変わった。それ以前は新聞やニュースサイト中心の情報収集であったのが、2005年以降はブログ中心の情報収集に変わったのである。さらにブログを始めてからは、海外のブログを毎日大量に読み、その中で重要な出来事をピックアップし、それを素材として自分の考えをエントリにまとめる。このように「ブログを読み、考え、ブログを書く」というサイクルを日課とし、「情報を集めながら情報を配信する」というスタイルを継続することになったのである。これによって、確かに自分の中で「何か」が大きく変わったような気がする。

この世界には、実際にやってみなければわからないことは多い。その中でも、ブログは最たるものかもしれない。日本ではHealth2.0もPHRもまだほとんど知られていないが、これらに関心を持つ人なら、とにかくまず自分のブログを立ち上げよう。「プディングの味は、食ってみればわかる」。海外のHealth2.0シーンを見ても、そのメインの活動ステージはブログである。日本でHealth2.0をテーマとするブログが多数登場することを期待したい。

三宅 啓  INITIATIVE INC.

患者SNS「PatientsLikeMe」の概要

2008/07/14 月曜日 - 19:19:07 by 三宅 啓


現在、数ある患者SNSの中で最も異色であり、しかも最も成功しているとされる「PatientsLikeMe」の概要を伝えるスライドを入手した。昨年末に発表されたもので、すでにほとんどの事柄は周知されているとも言えるが、手短にその特徴を把握するには便利だ。また先日、「Social Uses of Personal Health Information Within PatientsLikeMe, an Online Patient Community: What Can Happen When Patients Have Access to One Another’s Data」と題された本格的な論文がJMIRに発表されたが、いずれ紹介したい。

PatientLikeMeのように難病にフォーカスした患者SNSといえば、先月、米国でかなり大規模なSNSがローンチされている。日本でも一部で難病特化型SNSの試みが始められているようだが、この分野は今後非常に注目される分野である。TOBYOでは、以前から「疾患のテール部分」に位置する難病の闘病記や医療情報に注意を払ってきた。この分野は今後の医療フロンティアでもあり、今後、新機軸をいくつかTOBYOに投入したい。

三宅 啓  INITIATIVE INC.