患者視点調査への挑戦と挫折

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一昨日のエントリで、以前われわれはピッカー研究所の理論を応用した医療評価システムを構想していたが、結局それを断念した経緯を簡単に記した。その後、われわれの他にも患者調査、特に「患者満足度調査」への取り組みは続いている。そこで、もう少しこのあたりの問題を考えておきたい。

ピッカー研究所が提起した新たな患者視点調査は、「患者経験調査」と呼ばれている。つまり従来の「患者満足度」を計測する調査ではない。ピッカーは「満足とは主観的態度であり、常に文化的、世代的などのゆらぎを伴う不確かな指標である」とし、これに対して「患者が医療現場で実際に経験した事実を測定しなければならない」と主張したのである。 続きを読む