一つの未来医療イメージ

先月発表されたマイクロソフト社の「未来医療」イメージビデオ。良くできているとは思うのだが、何か違和感が残る。それは、このようなクリーンな未来イメージをこれまでいろんな場所で多く見慣れてきたせいで、リアリティが感じられないためなのか。あるいは、単に当方の「ヘソ曲がり」ゆえか?。はたまた「マイクロソフトのビデオ」ということからくる、先験的バイアス感のなせるわざなのか?。

ビデオに登場するガジェット群のインターフェースはどれも素晴らしいものであるが、ある意味では「それだけか」という不満もある。グレッグ・イーガンの小説に出てくるような、ハード&薬剤一体型の家庭医療装置などのほうが、当方は未来医療としてイメージしやすい。とにかく医療システムの現在形を、なんの躊躇もなく無批判に未来へ向かって投げると、こんなビデオが出来上がるのだろう。

三宅 啓  INITIATIVE INC.