2008/04

一つの未来医療イメージ

2008/04/01 火曜日 - 18:48:41 by 三宅 啓

先月発表されたマイクロソフト社の「未来医療」イメージビデオ。良くできているとは思うのだが、何か違和感が残る。それは、このようなクリーンな未来イメージをこれまでいろんな場所で多く見慣れてきたせいで、リアリティが感じられないためなのか。あるいは、単に当方の「ヘソ曲がり」ゆえか?。はたまた「マイクロソフトのビデオ」ということからくる、先験的バイアス感のなせるわざなのか?。

ビデオに登場するガジェット群のインターフェースはどれも素晴らしいものであるが、ある意味では「それだけか」という不満もある。グレッグ・イーガンの小説に出てくるような、ハード&薬剤一体型の家庭医療装置などのほうが、当方は未来医療としてイメージしやすい。とにかく医療システムの現在形を、なんの躊躇もなく無批判に未来へ向かって投げると、こんなビデオが出来上がるのだろう。

三宅 啓  INITIATIVE INC.

患者視点調査への挑戦と挫折

2008/04/02 水曜日 - 17:25:43 by 三宅 啓

PSI_s

一昨日のエントリで、以前われわれはピッカー研究所の理論を応用した医療評価システムを構想していたが、結局それを断念した経緯を簡単に記した。その後、われわれの他にも患者調査、特に「患者満足度調査」への取り組みは続いている。そこで、もう少しこのあたりの問題を考えておきたい。

ピッカー研究所が提起した新たな患者視点調査は、「患者経験調査」と呼ばれている。つまり従来の「患者満足度」を計測する調査ではない。ピッカーは「満足とは主観的態度であり、常に文化的、世代的などのゆらぎを伴う不確かな指標である」とし、これに対して「患者が医療現場で実際に経験した事実を測定しなければならない」と主張したのである。 »もっと読む・・・ »

ウェブと医師は競合するのか?

2008/04/03 木曜日 - 19:44:36 by 三宅 啓

doctor

かつて2001年に、AMA(米国医師会)は「オンライン医療情報は、決して医師が積んできた経験やトレーニングに取って代わるものではない」と述べ、ウェブ上の医療情報に基づく自己診断や自己治療の危険性を強く社会に警告したことがあった。このAMAメッセージは「チャットルームよりも医師を信頼せよ」などのわかりやすいフレーズに翻案され、米国社会に広く知られるところとなった。

だが当然、これに対する反発もわきおこった。たとえばそれは「AMAはRIAAと同じく、前時代の遺物だ」などの言説であり、当時、世界的な拡大の途上にあったインターネットに対応できない、「レガシー業界」として医療界を批判するものであった。ちなみにRIAAとは米国レコード協会の略である。 »もっと読む・・・ »

ウェブ上の闘病体験リソースを可視化する

2008/04/04 金曜日 - 20:09:47 by 三宅 啓

TOBYOProfile

TOBYOベータ版の概要は以前のエントリでもお伝えしてあるが、そのメインとなる検索機能がほぼ完成した。さっそくテストにかかるが、まず当面は検索対象範囲を限定してテストすることになる。具体的には対象病名を限定するわけだが、その後、徐々に対象病名を増やしていきたい。

以前のエントリでも述べたとおり、「TOBYOレファレンス」におかれるこの検索機能は「TOBYO事典」と名付けられ、ウェブ上に多数存在する闘病サイトだけを検索対象とするバーティカル検索機能である。検索対象が闘病サイトだけであり、ユーザーは闘病者が実際に体験した事実だけを、簡単に抽出することができる。つまり、必要な情報を探すために、闘病記にまとめられた膨大な情報すべてを逐次に読み進む必要がないので、ユーザーは最短で必要な情報に到達することができる。 »もっと読む・・・ »

Healiaが患者SNSへ進出: Healia Communities

2008/04/05 土曜日 - 17:55:06 by 三宅 啓

HealiaCommunities

Healiaといえば、先駆的な医療バーティカル検索エンジンとして注目されてきたのだが、なんと今回、患者SNSへ進出したというニュースが伝わってきた。

患者SNS”Healia Communities”は、三つの基本機能を提供している。

  • あなたの患者体験を他の人と共有する
  • あなたに似た人と連絡を取る
  • 医療専門家に質問する

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医師SNS “Ozmosis”

2008/04/07 月曜日 - 18:34:12 by 三宅 啓

ozmosis

医師SNSの世界はSermoの独走状態が続いている。「打倒Sermo」の旗頭と目されるような、有望なコンペティターの姿は依然として見えない。”Ozmosis“は昨年からベータ版が公開されていたような記憶があるのだが、その後、さしたる話題もなく苦戦しているようだ。

とにかくトップブランドの”Sermo”に対して、競争対抗ドメインを創造しなければならないのだが、現状のサービス・ラインナップを見る限り”Sermo”を脅かす陣形にはなっていない。また、「市場のリーダー」になるよりも「卓越した二番手」を目指す道もあるはずなのだが、そのような気配もない。 »もっと読む・・・ »

医療のソーシャルニュースサイト: healthranker

2008/04/08 火曜日 - 19:12:52 by 三宅 啓

healthranker

healthrankerは、医療ニュース専門ということ以外、何の変哲もないソーシャルニュースサイト。だが、これに類するシンプルな2.0ツールが日本の医療分野では皆無なのも、なんだかさびしい気がする。日本で医療分野のウェブサービスと言うと、いまだに病院・診療所案内サービスが多く、このようなシンプルなツールがほとんど登場してこない。 »もっと読む・・・ »

「第三者機関による医療サイト認証」という虚構

2008/04/09 水曜日 - 19:52:37 by 三宅 啓

HON

今朝の朝日新聞を開いてみると、「携帯電話の閲覧制限、第三者機関設立、客観性担保が課題」という記事に目がとまった。現在進められている、自民党・民主党によるネット規制法案制定の動きも気になるが、では果たして、このような「第三者機関」による「サイト認証」が、国家規制よりもベターであると言えるのだろうか?。

そんなことを考えているうちに、ある記憶がよみがえってきた。二-三年前、ある大手医療機関チェーンの幹部と話をしていたのだが、その時、「ウチは今度、第三者機関のサイト認定を受けることにした」という幹部の発言があった。その発言の中で、とりわけ「第三者機関」という言葉に、妙な力感を込めた不思議なニュアンスがあったことが思い出される。それはあたかも「第三者機関」という言葉が、ただならぬ魔法の権威を象徴しているかのごとくであったのだ。医療者にとって「第三者機関」という言葉は、どうやら絶大な威力を持っているらしい。 »もっと読む・・・ »

TOBYOベータ版の進行報告

2008/04/10 木曜日 - 19:33:48 by 三宅 啓

TOBYO_JITEN

TOBYOベータ版は現在、闘病記だけを対象とするバーティカル検索機能である「TOBYO事典」のテストを進めている。近々、公開テストを実施することになるが、当面は「胃がん」の闘病サイトだけに限定して、検索機能をテストする予定。そしてベータ版公開段階では、TOBYO収録闘病サイトから、30万ページをインデクシングし検索可能にする。

現在、TOBYO収録の闘病サイト件数は約3100件。これらすべてを検索可能にしたいところだが、当初は30万ページという枠を持って、ある程度検索対象サイトを絞り込んで検索サービスを提供したいと考えている。 »もっと読む・・・ »

日本の闘病記3000

2008/04/11 金曜日 - 19:23:35 by 三宅 啓

tobyoki3000今日からTOBYOのトップページに、キャッチフレーズ「日本の闘病記3000」を掲出することにした。これはけっして、「数ある闘病記から厳選して3000を集めた」という意味ではなく、ただ単にTOBYOが採録した闘病記を概数で示しているに過ぎない。それでもなお、このようなキャッチを掲出しているのは、それなりの理由もある。

われわれは、もともと「非常にシンプルなツール」としてTOBYOを構想してきた。しかし、シンプルであるからと言って、その活動スケールが小さくなければならないという決まりはない。TOBYOはシンプルなツールなのだが、シンプルでありながら、その活動は大きなスケールと大きなサイズを目指すべきだと、われわれは考えてきた。「日本の闘病記3000」というフレーズには、その決意をこめている。 »もっと読む・・・ »