包括的医師検索サービス「Vitals」

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昨年から世界中で一気に弾け始めたHealth2.0だが、まだまだニューフェイスのローンチは続いている。昨年末、米国ニュージャージー州リンドハーストからローンチした「Vitals」は、これまでにない新しいタイプの医師検索サービスと言えるだろう。

「われわれは皆、人生のある時点で、医師のところへ行く必要があるだろう。それは軽い症状であるかも知れないし、あるいは深刻な症状かも知れない。どの医師のところへ行くかという選択と、そしてその医師のパフォーマンスが、生きるか死ぬかを決定するかもしれないのだ。」

このように、医師選択の重要性から「Vitals」は自分たちが目指すサービスを語り始める。つまり、消費者の医師選択ニーズを徹底的に焦点化していることが読み取れるのだが、「あれも、これも」ではない一点集中型コンセプトこそが、今後の新しいウェブ医療情報提供サービスに最も必要なことなのだ。 続きを読む

米国医療を変革する革新的サービス、「Carol」登場!

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今朝の朝日新聞朝刊一面には「開業医再診料、引き下げ断念、医師会の反発受け、厚労省」との見出しのもとに、「医師会-与党」の強い抵抗にあい、開業医再診療引き下げを厚労省は断念したと報じられている。これは「限定された資源の有効配分」の問題に一般化できるだろうが、配分調整過程で「医師会」などという特定ギルド団体の意向が偏重されては、もとより「中立公正なる資源配分」などできるはずもない。そもそも価格形成に、実際に医療を消費する消費者の意向が反映されないことが問題なのである。 続きを読む

EMRの考古学: Circa 1964


1961年、医療分野におけるコンピュータ利用に関する共同研究がIBMなどを中心に開始された。今で言うEMRのプロトタイプである。この初期EMRは「Circa」と名付けられ、1964年、オハイオ州アクロンの子供病院に試験的に導入されたのである。その当時の映像が、ジョンズホプキンズ大学医学部から公開されたのだが、それを見るとこのCircaは当時、その情報システムとしての役割を次のように説明されていたのである。

  • 医師、看護師のペーパーワークを減らす
  • 医療過誤を減らす

だが当時から40数年を経た今なお、これらはいまだに「今日的課題」として堂々通用する。これは何を意味するだろうか?。米国の医療ブロゴスフィアでは、「ではこの40数年間、アメリカの医療界は、一体何をしてきたのか?」という詰問にも似た問いかけがされている。 続きを読む

医学雑誌2.0:進化する医学雑誌

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米国で最も権威ある医学雑誌といわれるNEJM誌(New England Journal of Medicine)だが、最近、脱「印刷メディア」をめざし、Web2.0ツール&サービスの積極投入によるウェブサイト強化に乗り出した。また同じく著名医学雑誌であるLancet誌も、2.0ツール&サービスを中心にウェブサイト強化を現在計画中である。 続きを読む

メイヨークリニックがマイクロソフト社HealthVaultを採用

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昨日(1月25日)、メイヨークリニックとマイクロソフト社は「コンシューマー向けオンライン医療管理ツール」の共同開発へ向けた戦略的合意に達したと発表した。これはマイクロソフト社のHealthVaultをプラットフォームとして、メイヨークリニックが独自PHRを開発することを意味するが、全米のみならず世界的なトップブランド先進医療機関であるメイヨークリニックのHealthVault参加は、PHR市場の今後の動向に大きな影響を与えることになるだろう。 続きを読む