dimensionsとマーケティング・リサーチ革命

2011年7月度Jmrx勉強会資料

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昨年来、開発に取り組んできた”患者体験傾聴システム=dimensions”。前例のないまったく誰もやったことのないシステムであるだけに、その位置づけや提供価値をめぐり、開発当事者である私達自身が逡巡の末、何度も修正を重ねてきた経緯がある。幸いにもイスラエルのFirst Life Researchが、私たちと似た発想を持つプロジェクトであることが分かり、意を強くしたが、それでも自分たちがやっていることが今日のシーン全体の中で一体どこに位置するのか、視界不良のまま進んでこざるを得なかった。

だが、やがて徐々に視界は晴れ上がってきた。そして、決して自分たちが孤独ではなかったことも、今ではよく分かっている。これらはHealth2.0ムーブメントによってではなく、意外にも世界のマーケティング・リサーチ・シーンでここ数年起きている、また日本ではこれから起きようとしている「革命」の存在に気づくことによって分かったことだ。私たちは無意識のうちに、この「革命」に歩調を合わせ、同じ方向を目指していたのである。

この革命のコアに位置するのがソーシャル・リスニング(傾聴)である。まさにスティーブ・ラパポートが言うように「Listen First!」であり、リスニングは顧客・消費者を知り、理解するための、最も重要で基本的な活動なのだ。従来のレガシー調査は、アンケートやヒアリングで「Ask」することで顧客・消費者を知り、理解しようとしてきた。だが今後は、オンライン定性データのリスニングが基礎になると言われている。その際まず重要になるのは、リスニング・テクノロジーである。ネット上に存在する膨大な量の消費者の声を集め、整理分類し、検索可能にし、そして多角的に集計出力するためのテクノロジーが必要なのだ。

私たちはdimensions開発において、実は医療分野におけるソーシャル・リスニング・テクノロジーを開発していたのである。そのことに気付かされたのは、たとえば上のスライドに見るような、JMRXなどの先進的研究活動を知ったことが大きかった。

三宅 啓  INITIATIVE INC.


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