懐かしのグラフィティ入力

PalmV

Androidでグラフィティ入力ができるようになった。早速導入。最初はグラフィティ文字を思い出すのに苦労したが、なんとかやっているうちに記憶が蘇ってきた。手の動きなど、一度獲得した身体記憶というものはなかなか消えないものらしい。そう言えばSONYクリエが壊れて以来だから、グラフィティ文字とはかれこれ6年ぶりのご無沙汰だった。入力ソフトは感度も良く、きびきび反応してくれる。以前はスタイラスを使っていたが、じかに指で入力できるのも良い。これは便利だ。

かつてPalmVx(写真)を愛用していたが、シンプルながら丈夫で動作も安定しており重宝していた。あとで買い換えたクリエがすぐ壊れてしまい、SONYに代表される「Made in Japan神話」が自分の中でがらがらと崩壊していったのを覚えている。あのころすでに「もの作り日本」など過去の遺物になっていたのかもしれない。クリエはたしかにPalmよりも高機能であったが、堅牢性や物理動作などモノとしての基本的な信頼性がいまいち弱かったと思う。いつの間に日本メーカーは、柔で壊れやすいものを作るようになってしまったのか。

さて、Health2.0 Tokyo Chapter2のプレゼンの準備をしているが、あらためてTOBYOプロジェクトを見直す良い機会だ。これまであーだこーだと、さんざんTOBYOプロジェクトを説明してきたが、やはりシンプルさというところがTOBYOの持ち味だと思えてくる。複雑な機能や複雑なコンテンツを最初から持つことをやめ、ひたすら闘病ユニバースのツールということに徹してきたわけだ。「ネット上の全ての闘病体験を可視化し検索可能にする」。TOBYOはそんなシンプルなサービスをめざしている。これは昔のPalmのシンプルさに似ている。

だがシンプルではあるけれども、TOBYOは闘病ユニバースに特化したツールであるから、他の汎用ツールにはない強みを発揮する。TOBYOはネット上におよそ三万サイト存在する闘病サイトを活用するための専用ツールであり、他の汎用ツールよりもより早くより確実にめざす闘病体験へアクセスすることができる。ネット上のノイズやゴミを除外しているから、闘病者が実際に体験した事実だけを見ることができる。そして軽快で効率がよい。ネットの深層に分散して存在する闘病サイトは、Googleを使っても容易に探し出すことはできない。だがTOBYOなら、簡単にそれら闘病サイトに蓄積された貴重な体験情報を、いつでも誰でも即座に利用することができるのだ。

かつてPalmはクリエへ「進化」し、高機能化した末に急衰退した。TOBYOもDFCへ進化することを目指しているのだが、「ネット上の全ての闘病体験を可視化し検索可能にする」というミッションと、シンプルさという機能コンセプトを逸脱しないように進みたい。

三宅 啓  INITIATIVE INC.


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