Health2.0ヨーロッパ:オープニング・プレゼンテーション

今月6日-7日、パリで開催されたHealth2.0ヨーロッパのオープニング・プレゼンテーションが公開された。プレゼンターはマシュー・ホルトとインドゥー・スバイヤが担当したようだ。

導入部の「インターネットの歴史」そしてお決まりの「2.0」のおさらいには食傷気味。本論であるHealth2.0にたどりつくまでが長すぎる。かつて広告業界ではプレゼン冒頭部分(たいていマーケティングスタッフが担当していた)を「祝詞(のりと)」と称していたが、これは短ければ短いほどいいし、できればない方がいいに決まっている。

スライド17で、懐かしいMinitelが出てきたのには驚いた。これは電話帳の代わりにフランス政府が配布したビデオテックスで、1980年代には先進的なニューメディアとして盛んに紹介されていた。当時、日本でも同様のビデオテックス「キャプテンシステム」が登場したが、どちらもいつの間にか姿を消してしまった。

さて本論のHealth2.0に関してだが、スライド59からの「Health2.0連続体?」と題されたシークエンスが目をひく。しかし、どうもまだ十分に考え抜かれたロジックにはなっていないと感じた。これで行くとHealth2.0の最終段階は「データは意志決定と発見をドライブする」(スライド65)となるらしいが、これとこの次にくるスライド66,67のアンプラットフォームの結びつきがはっきりしない。ここでマシュー・ホルト達がどんな説明をしたのか、是非聞いてみたいものだ。いずれにせよこの「連続体」は、従来のHealth2.0のビジョンをさらに深化させるために案出されたものだろうから、今後の精緻化を待ちたい。

三宅 啓  INITIATIVE INC.


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