TOBYOのネクストステージ

TOBYO_next_stage2

TOBYOでは、これまで「ネット上の闘病サイト群」から成るルースで自然発生的なコミュニティを「闘病ユニバース」と呼び、その可視化を進めてきた。これは端的に言って、闘病サイトを一つ一つ調査し「どこにどんな病気の体験があるか」を明らかにするものであり、いわば闘病ユニバースのマップを作るような作業であった。そして現在、2万件近い闘病サイトがこのマップ上にプロットされたわけだ。

次に、このマップを参照してTOBYOのクローラが闘病サイトを訪問し、検索キャッシュを取得し保存蓄積していくことになる。現在、約300万ページのデータが蓄積され、バーティカル検索エンジンによって検索可能となっている。TOBYOプロジェクトは、このように二つのステップを経て現在に至っているわけだ。ではこの「次」は一体どうなるのか?

昨年年末から、闘病体験データを社会的に還流させ、さまざまな問題解決に寄与していくイメージをこのブログで書き出してきたが、それは最終的にDFC(Direct from Consumer)というコンセプトにまとめあげられた。DFCを具体化するために、テキストマイニングなどブログリサーチの手法を検討しているわけだが、この前提として、TOBYOが把握している「Consumer」の可視化を、現状よりさらに推し進めなければならないのではないかと考え始めている。

これは現在300万ページある闘病体験データを使って、今度は逆にTOBYO収録サイト(闘病者)を再可視化するようなイメージになるはずだ。

①闘病サイト可視化→②闘病体験データ蓄積→③闘病サイトの再可視化

具体的には、たとえば「薬剤リスト、薬剤-製薬会社リスト」の二つのリストから300万ページの闘病体験データを精査し、「その薬剤を飲んでいるのはどの闘病者か」さらに「A社の製品ユーザーはどの闘病者か」を可視化することになる。このことによって、TOBYOが把握する2万人の闘病者から「A社のユーザー」グループだけを抜き出し、特定のテーマを分析することが可能となるだろう。

これまでは、「性、年代、病名、収録情報、付帯情報タグ」などのメタデータを人力で闘病サイトに付けて可視化を進めて来たわけだが、その上に闘病体験データ300万ページから導き出された「自動分析メタデータ」を加えることになる。このことによって次のことが実現できる。

●ビジネス: 医療関連業界向け分析データの付加価値向上
●コンシューマ: 検索機能を中心とするTOBYOユーザー体験の向上

もちろん薬剤だけでなく、医療機関、治療法、検査法によっても闘病者を可視化していく。

三宅 啓 INITIATIVE INC.


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