海外動向と今年のTOBYO

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新年になって海外のHealth2.0関連ブログをざっと見てみたが、新規性のあるプロジェクトやテーマはあまり見つからなかった。だが、今年はHealth2.0コンファレンスが3回も予定されている。4月にパリ、6月にワシントン、そして10月にサンフランシスコ。特にパリ・コンファレンスだが、ヨーロッパでHealth2.0がどのように受容されるかが興味深い。しかし、2007年秋に第一回が開催されてから、今年でHealth2.0コンファレンスも四回目になるが、PatientsLikeMeやSermoに続く成功事例が出てこないのが気になる。昨秋ローンチされたアダム・ボズワースのkeas(キーアス)あたりに期待したい。

さて新年になって、Microsoftの検索エンジンBingが医療情報検索時のパワーアップを図ったようだ。まだ米国だけのサービスのようだが、病名などをキイワードに検索すると、関連症状、関連薬剤、関連医療機関のリストが表示される。さらにたとえば医療機関を選択すると、医療機関プロフィール、HHSが公開している当該病院の患者満足度データ、そして近隣医療機関などが表示されるなど、通常の検索結果以外に特別の医療関連情報を表示し、スピーディーで適切な医療情報検索を目指している。


医療情報検索といえば闘病体験バーティカル検索エンジン「TOBYO事典」だが、昨日、プログラマーを交え、当方スタッフで今年の技術課題など作業方針を話しあった。昨年はクローラー開発などに手間取ったわけだが、今年はとにかく「常時クロール体制」でキャッシュデータを積み上げていきたい。これらを通じて最大規模の闘病体験DBをさらに大きく成長させ、「全闘病体験から医療を可視化する」データサービスを起動することになる。

またこれからいよいよビジネスフェーズに入るが、TOBYOプロジェクトを引き継ぐ新組織体は、これまで同様徹底的に効率化された組織体でなければならない。現状サイトをご覧いただいてもわかるように、乱暴に言ってしまえば、結局TOBYOサイトは「リストと検索」機能を実現するDBしか配置していないが、これで良いと考えている。このように徹底的に無駄を排除し、最小人員&最小コストで回るような「スーパー効率経営」を目指して行く。日本の医療情報ベンチャー事業で一番重要なことは、少ない入力(売上げ)でも楽に存続していけるような、そんな省エネ組織体だと考えている。

三宅 啓  INITIATIVE INC.


海外動向と今年のTOBYO” への1件のコメント

  1. 組織の在り方、大いに賛同します。
    「寄らば大樹」ではなく、「柳に風折れなし」というところでしょうか。

    今後、医療情報系ベンチャーに限らず、どんな業界でも、個の自発的なモチベーションと知を自在に組み合わせられる小さな組織を志向するグループや個人が、日本でもどんどん現われてくると思います。転職経験がフツウの話になっている今の団塊ジュニア世代が脂が乗ってくるこれからが、そういう形が増えてくるのではないかと。

    「カイシャ」的Sphereは、個として生きていくための技量を磨く場、もしくはかっちりとした組織で仕事すること自体にモチベーションを感じる人たちの生き残る場、として残ってはいくでしょうが、そうでないもう一つのSphereが膨張していくイメージでしょうか。

    ともかくも、Small Businessの良さをとことん追求し、具現化して新しい”仕事観”"組織観”を創る先駆者となっていきたいですね。

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