年末番外編: Beatles Mono Box

Beatles_mono_box

今年もたくさんの音楽にお世話になった。音楽からアイデアをもらい、音楽からパワーをもらった。今年はもっぱらアナログ音源を聞いていたのだが、往年のMMカートリッジやモノラルカートリッジの音の良さに、改めて気付いたことが収穫だった。ところで、今年9月9日に「全世界同時発売」との触れ込みで発表されたBeatlesリミックスCDシリーズだが、特にMONOボックスが気になっていた。だが、仕事にかまけて年末までそのまま放置していたわけである。

Beatlesの音源は”Abbey Road”と”Let ti be”、そしてEPセットで発売された”Magical Mystery Tour”以外は、モノラル・ミックスが本来のオリジナル作品だ。英国ではその通りモノラルで発売されたが、日本と米国では無理にステレオ加工して発売した経緯がある。それゆえ今回のMONOセットが注目されたのだが、日本版は何と3万9800円。団塊世代の購買力を当てにしたのだろうが、しかしこれはどう見ても法外な値段である。

とは言え、どうしても気になっていたので米国amazonで値段を調べてみると、何と190ドル(!)。ちなみに最近、日本から米国amazonにアクセスするとトップページに「日本でお買い物しましょう!」との警告メッセージが表示される。(円高で客が逃げた日本amazonから要請でもあったのか?)。しかし、普通にオーダーすることはできた。でもShipping項目で速達プランが選択出来ず「一ヶ月かかる」と脅かされたが、めげずにオーダーしてみると何のことはない、1週間ほどして昨日届いた。

もちろん、昨日はオーディオセットの前で終日このMonoセットを浴びるように聞き込んだのである。いやこれは凄い!。もともとチャンネルセパレーションが不自然だった”Rubber Soul”や”Revolver”は言うに及ばず、特に”Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band”、”Magical Mystery Tour”、”White Album”は従来印象を一新する表情を見せ、まったく今まで聞いたことのない音が入っており非常に驚いた。そう言えばジョージ・マーティンは、かつて「Sgt. Pepper’sはモノラルで聞くべし」と言ったそうだが、なるほどそのとおりだ。当方、日本版LPで40年以上ビートルズを聞いてきたが、このmonoミックスを聞くと「これまでいったい何を聞いて来たのか?この40年を返せー!」と言いたくなる。

ベース&ドラムスの解像度は上がり、音圧は高い。アクースティックギターのアンサンブルも前に出てきて非常にフレッシュ。このmonoボックスは、パワフルなビートルズサウンドの力感を、今まで以上に隅々まで堪能できる。非常に価値の高いボックスセットだ。

フィル・スペクターの名言どおりだ。

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三宅 啓  INITIATIVE INC.


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