ソーシャルメディア革命


今日のソーシャルメディアの隆盛ぶりがダイレクトに伝わってくるビデオだ。サウンドトラックも、映像のつくりも良い。良くできたビデオだ。だが、それでもなんとなく食傷感が強い。それはなぜなのかと考えてみた。

“Social Media isn’t a fad”ということはわかったが、では本当に”it’s a fundamental shift in how we communicate.”ということになるのだろうかと、へそ曲がりなツッコミの一つも入れたくなる。これについてたとえばJohn Battelle氏は、「ソーシャルメディアは、われわれがコミュニケーションする方法のシフトを意味するのではない。それは、われわれのコミュニケーション能力における階段関数なのだ」と評している。なるほど。

さらに、安易に「○○革命!」などと言ってしまうことにも抵抗感がある。およそ10年ほど前の「eヘルス革命」などを持ち出すまでもないが、これまで医療ITの分野でも、これら「○○革命!」のような大仰で内容空疎なスローガンを何度も目にしてきた。そして、その後のこれら「○○革命!」の結末もしっかり見てしまったのである。10年たって、果たして「ITが日本の医療を変える!」ことは実現されたのか。「eヘルス革命」の著者に聞いてみたいものだ。

もちろんHealth2.0ムーブメントにも、多分にこのビデオのような「勢いだけの、上滑りな」部分はあるだろう。それは仕方ないと思っている。だがHealth2.0は、実際に有用な価値あるサービスを生み出さなければ何の意味もないのだ。そして、そのことに実際にリスクをとって挑戦することと、「○○革命!」などと囃したてることはまるで違うことだ。われわれは評論家でも学者でもないのだ。

三宅 啓  INITIATIVE INC.


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