今年後半、TOBYOがフォーカスする二つのポイント

TOBYOプロジェクトが、今年後半へ向け取り組もうとしている活動については、エントリ「TOBYOプロジェクト:年内の予定」で数値目標を中心に紹介済みである。一応、初期構想段階で想定していた基本機能に限ってみれば、現状のTOBYOでほぼ完成しているのだが、まだ完成度が低かったりするものもある。

細かいところを省略してしまえば、およそ今年後半の活動は二点に集約されると考えている。まずバーティカル検索エンジン「TOBYO事典」の改善だが、これはTOBYOプロジェクトのコアに位置する機能であるだけに重要だ。現在、着手し始めているのは新しいクローラーの開発である。従来クローラーではサイト取得率の限界があり、これを向上させなければならない。そして、現状の検索結果品質をさらに高めるために、本文抽出機能と重複取得回避機能の改善をしていく。

以上の検索機能改善については、これまでも何度となく述べてきたのだが、次にビジネススキームと関連して新たなコーナーを創設したい。これは、実は昨年から検討をしてきており、「病名インデックス」という仮称を持っている。当初は、たとえばニュースサイトなどとの連携などを想定していたが、もう少し闘病ニーズに直結するような、どちらかといえば少しハードな情報ニーズに対応するものへと仕様変更していくことになる。

たとえばPatientsLikeMeなどが持っている方向性、あるいは戸塚洋二氏が生前に提起した患者体験DB構想などからも触発されるのだが、もしも「闘病者ニーズ」というものを徹底的に詰めていくとすれば、結局、「この病気を治したい」という一点に動機づけられたハードかつ専門的な情報ニーズへ行きつくのではないかと思う。これは当然と言えば当然の話だが、案外この点を忘却してしまうことが多いように思う。もちろん実際に病気を治すものは医療者、医療機関、治療方法等であるが、それら以前に「情報を集め、学習し、医療を選択する」という段階があり、ここでTOBYOがどこまで実際にお役立ちできるかを徹底的に追求していきたい。

以上のように、今年後半、TOBYOプロジェクトがフォーカスするポイントは、検索エンジン「TOBYO事典」改善と「病名インデックス」の設置の二点ということになる。そしてこの二点の上にビジネススキームを描いていくことになると考えている。

三宅 啓  INITIATIVE INC.


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