フィットネス携帯サービス:miCoach

MiCoach

アディダスとサムソンが共同開発した「miCoach」がおもしろい。

GPS携帯+心拍数モニター+歩幅センサー+フィットネス・プログラム

上記のコンビネーションで一体化されたサービスが「miCoach」であるが、ジョギング時の走行スピード、距離、消費カロリーなどをリアルタイムに測定表示し、まるで並走コーチのように、ユーザーの走行状況に応じた音声アドバイスをしてくれる。もちろん音楽を聴きながら走ることも可能。個人走行データはウェブサイトに記録され、フィットネス改善状況を把握できる。

類似商品にセガトイズ「カラダトレーナー」、AppleとNikeによる「iPod Sport kit」がある。今後、ガジェットをセンサーとして活用する健康関連サービスは増えるだろうが、たとえば慢性疾患の改善プログラムなどの医療サービスも登場するのではないか。その際の、サービスコンセプトは何だろうか?。おそらくそれは「パーソナル」ということではないだろうか。今日の消費者が求めているのは、一律の運動プログラムや、一律の体質改善プログラムではなく、自分の身体や健康状態にきめ細かくチューニングされた、「自分だけの、自分にフィットするプログラム」であるはずだ。

「パーソナル」というコンセプトは、ある意味では健康や医療の本質的な性格を表している。健康や医療とは、もともと「パーソナル」なものであり、一律に提供され得ないものであるはずだ。そして、これに対立する概念がDM(Disease Management)だと思う。DMが扱う対象はマス(大衆)であり、パーソナルではない。DMは前世紀の「大量生産-大量販売-マスコミュニケーション」の思想の枠内にあるが、逆に消費者が求めるのは「自分だけのサービス」である。今日、米国などで「プッシュ型DMの限界」が論じられているのは、そのような意味合いを含んでいる。

だが、「miCoach」のような「ガジェット+ネットワーク」を軸とするテクノロジーは、従来は不可能であった「パーソナル」対応をロウコストで提供できるのだ。このあたりに、新しい医療サービス開発のヒントがあるような気がする。

三宅 啓  INITIATIVE INC.


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