TOBYOアルファ版、もうすぐ公開

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ようやく、TOBYO(闘病)アルファ版がほとんど出来上がった。もうすぐ、いわゆる「ステルス・モード」で静かに公開する予定。スタッフの中には「テープカットを!」との声もあるが、まだアルファ版なので大騒ぎする段階ではないだろう。当面はバグフィックス作業が続く。

たしかに長かった。当初計画では一年前に出来上がっていたはずなのだが、しかし、従来の日本の医療ウェブサービスとはまったく違う新しいものを目指して来たのだから、これは致し方ないことだとも思う。また予想外に時間がかかったせいで、かえってTOBYOの提供サービスについて考え方が深まった部分もある。

TOBYO(闘病)はUGC(User Generated Content)としてウェブ闘病記をとらえ直し、そこにある豊富な体験情報を共有する仕組みをまず第一に考えるところからスタートした。「ウェブ闘病記」という形に形式知化された「闘病者の集合知」を活用するところに焦点があった。このことは今も変わらないのだが、その後、もう一つ重要な視点が徐々に露わになってきたと思う。それは、闘病者がみんなでウェブ上のさまざまな闘病情報を収集し整理していくという視点である。

多数のウェブ闘病記を見ての感想だが、闘病者は単なる現実の「闘病記」を超えて、「ウェブ上の闘病活動情報基地」として自らの闘病サイトを構えているのである。そこでは通常の日記形式「闘病記」がコアになってはいるものの、同時に医学情報や他の闘病記など、ウェブ上の多くの情報ソースも収集整理されているのが普通である。だから便宜上、一応現実とのアナロジーで「闘病記」という言葉を使っているが、本当は「闘病活動情報基地」とか、また一般に「闘病サイト」などの言い方の方が現実に即した表現なのだ。

だが、一人でウェブ上の情報洪水から必要な情報を収集するのは大変だ。みんなで闘病情報を収集整理した方が効率的である。もともとTOBYOは、これら「みんなでウェブ上の闘病情報を収集し整理する」という闘病者のウェブ行動に対応するソーシャル・ブックマーク機能を備えているのだが、今まで以上にこの機能が重要になってきたと認識している。つまり、TOBYOは「ウェブ闘病記」だけを焦点化するのみならず、それを含むウェブ上の闘病情報全体を対象とする地点へと、視点移行しなければならないと考えている。そのために、当面ブックマークまわりを強化しなければならないだろう。

これからステルス・モードでアルファ版をテスト運用するが、同時にベータ版の開発に着手している。

三宅 啓  INITIATIVE INC.


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