TOBYO、国立国会図書館Dnaviに公式登録される

kokkai

今日、国立国会図書館から当方へ連絡があり、TOBYODnavi(国立国会図書館データベース・ナビゲーション・サービス)に登録されたとのこと。まったく予想外のことで驚き面食らったが、早速そのDnaviサイトを調べてみると次のような説明があった。

[Dnaviとは?]

インターネット上に存在する豊富なデータベースは、学術研究はもとより、 多方面にわたる調査に不可欠であり、質的にも量的にも重要な情報資源です。国立国会図書館データベース・ナビゲーション・サービス(Dnavi)では、 これらのデータベースについて書誌情報(メタデータ)を作成し、当館ウェブサイトからリンクすることによって、ナビゲーション・サービスを実施します。

以上の説明に続いて、さらに「Deep Web」に関する以下のような解説が付されていた。

Deep web

ワールド・ワイド・ウェブ上には数十億のウェブページがあると言われていますが、実はこれはウェブ全体のごく一部に過ぎません。有用で貴重な情報資源の多くは表面的なウェブページではなく、データベース等の「深層」に格納されており、アクセスの都度、動的に生成されています。深層ウェブ(Deep Web)の大きさは、表層ウェブ(Surface Web)の大きさの約550倍、約9万1,850テラバイトにも及ぶ、との試算もあります(注2)。国立国会図書館データベース・ナビゲーション・サービスでは、これらの膨大な情報資源をより有効に活用できるよう、「Deep Web」の入り口まで、皆様をご案内します。

これを読んでようやくDnaviの意図するところと、なぜTOBYOが登録されたのかがわかった次第である。まずTOBYOは、闘病サイト8000件を収録する「最大規模の闘病サイトDB」と見ることができる。そして次に、TOBYOのコアとなるバーティカル検索エンジンと闘病ネットワーク圏を一体化して見るならば、それを一つの巨大な闘病体験DBと理解することもできる。ただそれは正確に言うと、上の説明にあるようなクローズドDBとしての「Deep Web」とは少しニュアンスが違う。闘病ネットワーク圏は「閉じた宇宙」ではなく「開かれた宇宙」である。しかしもちろん比喩的にだが、それら闘病ネットワーク圏が「Deep Web」に存在すると言ってもよいかもしれない。

どうやらTOBYOは国会図書館側の基準に即して、「Deep Webの入り口」と見なされたようだ。これはわれわれにとってまったく予期せぬことではあるが、なるほどそのように見ていただけるなら光栄の至りである。また、TOBYOの「Deep Webにある闘病体験およびWisdom of Patientsを可視化するツール」という側面を改めて指摘されたとも言える。

だが、TOBYOがどうのこうのと「我田引水」を言う以上に、今回の国会図書館Dnaviの「登録」が持つ意味は大きい。それは、これまで闘病者たちが自分たちの体験と知識に基づき自発的に制作し公開してきたウェブ闘病記が、価値あるドキュメントとして正当に評価されたことを意味するからだ。そしてさらに今回の「登録」は、国立国会図書館のようなエスタブリッシュメント機関が、ウェブ闘病記のようなUGC(ユーザー生成コンテンツ)の価値をおそらく初めて実質的に認めたことも意味しているからだ。

三宅 啓  INITIATIVE INC.


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