医師SNSの「Ozmosis」と医療ビデオ共有サイトの「The Doctor’s Channel」が業務提携を発表した。Ozmosisに関しては以前のエントリで取り上げたが、The Doctor’s Channelの方は、”Intercnet TV for Doctors”をキャッチフレーズとする「医師向け教育的YouTube」みたいなサービスである。
ニュースリリースによると、The Doctor’s ChannelはOzmosisに、医療専門35分野以上にわたる実技演習および臨床問題に関する、2分程度の教育ビデオを提供する。逆にOzmosisはThe Doctor’s Channelメンバーに、医療者フォーラムでのディスカッションツールや体験共有ツールを提供する。
両者の「強み」を持ち寄って競争力を強化しようという腹だろうが、はたして上手くいくのか?。前エントリでも指摘したが、OzmosisiにはすでにSermoという強敵が存在し、相当の差別的優勢を構築していかなければ差はつくばかりだ。このためにOzmosisは、匿名コミュニティではなく「実名コミュニティ」を打ち出し、コミュニティ参加メンバーの質と透明性を高めることにより、コミュニティ全体の信頼性を強化しようとしているのだが、さしたる成果はあがっていないようだ。たしかに「プロフェッショナルに匿名は必要ない」という主張は分かるのだが、実名がかえって、自由な意見交換の妨げになることもあるだろう。このあたり微妙な問題だ。
この業務提携が、シナジーを生み出すのかどうか。単なる「弱者連合」に終わる可能性もある。
三宅 啓 INITIATIVE INC.