ウェブ上の闘病記を活用して闘病体験の共有をめざす「TOBYO」は、現在、アルファ版のテストと修正の真っ最中。昨日の進行確認ミーティングでおおよその目処は立っているが、まだソーシャルブックマーク周りの実装が残っており、アルファ版全体では越年して来月下旬の完成となる。
なんとか来月下旬には、アルファ版のプライベート公開にこぎつけたい。このプライベート公開には、現在闘病記を執筆しておられる方々を中心に参加していただきたいと考えている。これらと並行して来月からベータ版に着手。ベータ版では「レファレンス」コーナーに配置する「事典」を中心に開発していく。
この「事典」はウェブ上にある多数の闘病記を束ねて、いわば巨大な一冊の「闘病百科事典」に見立て、ユーザーが自由に検索できるものである。言い換えれば、闘病記だけを対象とするバーティカル検索エンジンと考えてもらえればよい。どの闘病記も、本来、時間軸上に展開される個人の「物語」であるだろう。だが、それらが多数集まれば「物語」としての価値よりも、闘病体験という事実集合の情報価値の方が大きいのである。そしてその情報価値を最大限活かすためには、利用者によって自由自在に検索できるようにしなければならない。
実際にかかった医療費、抗がん剤の種類と量そして服用感、受療した医療機関と医療の品質、参考に読んだ書籍等々。実際に患者が体験した様々な事実を検索できることを、われわれは目指している。ベータ版の公開は３月初旬を予定している。
毎度、言い訳じみた繰り返しになってしまうが、この一年間大幅に開発は遅れてしまった。ただ、このブログを書きながら、今日のウェブ医療サービス・シーンにおけるTOBYOの位置確認をおこない思考実験を繰り返してきた。それらはすべて、TOBYOをローンチする際に活かせるものと信じている。
三宅 啓 INITIATIVE INC.
