来春、第二回Health2.0コンファレンス開催決定

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先月20日、サンフランシスコ・ヒルトンで開催されたHealth2.0コンファレンスは、まさにHealth2.0の誕生を世界に知らしめるイベントとして大きな成果を収めたが、早くも次回コンファレンスが正式発表された。

次回Health2.0コンファレンスは3月3日-4日の両日、カリフォルニア州サンディエゴのウェスティングホテルで開催される。先月のコンファレンスは「User-Generated Healthcare」というテーマが掲げられたが、今後、このテーマで毎年秋に年次コンファレンスが恒例化される予定だ。これとは別に小規模なコンファレンスが持たれる見込みで、今回発表されたのはそのシリーズの第一回目となる。

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テーマは「Conecting Consumer and Provider」で、実際にHealth2.0ツールを利用している生活者、患者そして医療者の実態と彼らが経験したことにフォーカスするようだ。

「この秋のイベントで、われわれは患者のためのソーシャル・コミュニティやメディアの提供者から(彼らの主張を)聞いた。しかし、それらツールを利用している、そして利用していない患者についてはどうだろう?。かれらはどんなことを経験しているか?。かれらは、どのようにしてHealth2.0を生活に取り入れようとしているだろうか?。そしてHealth2.0を体験するのは初めての人たちにとってはどうか。何に働きかけ、何を助けているか?。あるいは、そうではないか?。さあ、リーディングカンパニーによって提供されたツールに、患者と消費者が接触している様をまじかに見てみよう」。

(Health2.0公式サイト,”Health2.0 Spring Fling
March 3-4, 2008 | The Westin San Diego, CA”、()内は筆者付記)

前回がスタートアップ企業を中心に、Health2.0のサービスやツールを提供する企業からの提案や発言を中心にしたコンファレンスであったのに対し、次回コンファレンスは、どうやらHealth2.0のユーザーに焦点を絞ったユーザー・オリエンテッドな議論が中心になるようだ。

そう言えば、これまで医療をめぐるIT議論の中で決定的に欠落していたのが、この「ユーザー視点」である。これまでの、特に日本での医療IT議論を見ていると、ユーザーニーズを少しも検討しないで、機械的な「プライバシー論、セキュリティ論、情報の信頼性論」が専横を極めているような印象が強い。結局、ユーザーニーズの丁寧な洞察と機械的技術論の優先順位が狂っているとしか言いようがない。

その意味でHealth2.0コンファレンスの主催者(Indu Subaiya & Matthew Holt)が、Health2.0ムーブメントの初期段階でユーザー実態に視点を絞ったのは賢明である。まだ詳細は明らかではないが、春のコンファレンスでは、あらかじめユーザーのHealth2.0ツール利用実態をビデオ取材し、会場で映像マテリアルをもとに議論を進めるようだ。

Health2.0は着々とムーブメントパワーを築きつつあるが、これはあくまでも米国の話。日本ではどうか?。そろそろ日本でも世界にシンクロし、呼応する動きが立ち上がってもよさそうな時期である。

三宅 啓  INITIATIVE INC.


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